なんだかむくんでいる時に。水分代謝を助ける野菜の献立【週末肌養生ごはんのレシピ】
撮影・黒川ひろみ 文・新田草子 食材提供・ビオ・マルシェ 撮影協力・日々器
なんだかむくんでいる
顔の輪郭がすっきりしないときは、水分代謝を助ける春の青菜やきのこと、老廃物を排出する小豆を。香ばしく焼き付けたきのこを混ぜたにんじんの炊き込みご飯は平皿に盛って副菜を添え、華やかなワンプレートごはんに。小豆はシンプルな塩味のスープで。
●きのことにんじんのワンプレートごはん
【材料(作りやすい分量)】
米 2合
にんじん 1本(150g)
まいたけ・しめじなどのきのこ 合わせて100g
ローリエ 1枚
塩・好みの油(なたね油など)・しょうゆ 各小さじ1
紅しょうが 適量
【作り方】
1.米はといでざるに上げる。にんじんはすりおろす。
2.炊飯器に1を入れ、塩を加えて混ぜる。ローリエをのせ、通常の水加減で炊く。
3.フライパンに油を熱し、石突きを取ってほぐしたきのこを入れて炒め、香ばしく焼けたらしょうゆで調味する。
4.2のご飯が炊き上がったら3を加えてさっくりと混ぜる。皿に盛り、ナムル2種とサラダ(下記参照)、紅しょうがを添える。
●菜の花のナムル
【作り方(2人分)】
菜の花1/2パック(100g)を塩少々を加えたたっぷりの湯で茹で、ざるに広げて粗熱を取る。水気を絞り、3cm長さに切る。塩小さじ1/4、にんにくのすりおろし少々、深煎り胡麻油小さじ1/2を混ぜ合わせ、菜の花を加えて和え、煎り白胡麻小さじ1を加えて混ぜる。
●もやしのナムル
【作り方(2人分)】
もやし1袋(200g)はさっと茹でてざるに上げ、粗熱を取って水気を絞る。塩小さじ1/4、しょうゆ・にんにくのすりおろし各少々、深煎り胡麻油小さじ1を混ぜ合わせ、もやしを加えて和える。
●大根のさっぱりサラダ
【作り方(2人分)】
大根100gは4cm長さの細切りにし、塩少々をまぶして揉んで、水気をしっかりと絞る。レモン汁小さじ1、にんにくのすりおろしと深煎り胡麻油各少々を混ぜ合わせ、大根を加えて和える。
●小豆のスープ
【材料(作りやすい分量)】
小豆 50g
出汁昆布(3×3cm)1枚
塩 小さじ1/2
セリの葉 適宜
【作り方(2人分)】
1.小豆は洗って出汁昆布と水200mlと共に鍋に入れ、蓋をせずに中火で加熱する。沸騰してきたら火を弱め、水分が少なくなったら差し水をして、小豆がかぶる程度の水加減を保つ。
2.トータルで600mlを目安に水を加えながら煮て、小豆が柔らかくなったら塩で調味する。器によそい、好みでセリの葉を添える。
穀物菜食の週末肌養生ごはん
「肌は内臓の状態を映す鏡のようなもの。肌にトラブルがある時は、内臓も疲れているのです。消化に負担がかからない穀物と野菜中心の食事で、胃腸を休めてみてください。腸内の働きが整うことで体内の循環が良くなり、肌も次第に元気を取り戻しますよ」
とは、菜食料理研究家の野本弥生さん。自身も40代手前の十数年前、多忙を極めた会社員時代に長野県安曇野市のリトリート宿泊施設で穀物菜食と出合い、心身の変化を実感した。
「出されたのは玄米ご飯と、根菜の煮物や漬物。見た目は地味でしたが、ゆっくりと噛んで食べたらおいしくて。少量でも満足感があって、たくさん食べたくならないことも新鮮でした」
何より翌日の、体が軽くなって思考がクリアになる感覚に驚いたという。
「以来、休みが取れると安曇野に通うという生活に。仕事に忙殺されてストレスが溜まっていた頃は肌の状態も悪くて、鏡に映る老けた自分にぎょっとしたこともありましたが、気づけばそんな悩みもなくなっていました」
やがて、退職を機にリトリート宿泊施設のスタッフとして働くことに。厨房の要として、味わいも見た目も楽しいメニューを提案し、利用者から厚い信頼を得るようになる。現在は独立し、移住した安曇野を中心に全国各地でリトリートや料理教室を開き、穀物菜食の魅力を伝えている。
野本さんの考え方はシンプルだ。
「まずは腸を元気にすることが大事。根菜や海藻、発酵食品を摂りながら、お腹が温まる汁物を。本当に疲れているときは無理に食べず、お吸い物や葛湯だけで胃腸を労るのも一案です」
今回、肌の悩み別に提案してもらったメニューはどれも滋味深く、体にしみるおいしさだ。
「忙しい人ほど自分のことは後回しにしがち。時間のある週末に、心と肌を養生する気持ちでゆったりと作り、楽しんでもらえたらうれしいです」
(肌養生ごはんのコツ)
●基本の調味料は良い素材のものを。
●出汁は昆布+椎茸の水出しで。
●味噌やきのこ、ナッツでうまみと食感をプラス。
野菜の繊細な持ち味を生かすために、調味料は天然素材で作られたものがおすすめ。煮物やスープは水で作っても充分おいしいが、昆布としいたけの出汁を使えばさらに風味がアップ。もの足りなく感じる時は、きのこや味噌、ナッツなどを上手に使ってメリハリをつけるとよい。
『クロワッサン』1088号より