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ごちゃごちゃした玄関&靴箱、「捨てられない」なら「並べ替え」でスッキリ。

今あるものを並べ替えるだけで、見た目すっきり、意識も変わる。
「捨てられない」人の片づけファーストステップとして、取り入れてみて。
整理収納アドバイザーの中山真由美さんに片付け術を教わりました。

撮影・青木和義 文・板倉みきこ

玄関脇

【便利なはずの場所が散らかり感を助長。】
傘やバギー、自転車用のヘルメット、長靴、そして洗車液やワックスといった車関連のグッズなど。多種多様なものが集まる玄関脇のオープン収納。これまで、使いたいものがすぐ取り出せないのがストレスの元になっていた。

(Before)

ごちゃごちゃした玄関&靴箱、「捨てられない」なら「並べ替え」でスッキリ。

(A)折角の突っ張り棒が使えずに宝の持ち腐れ。
コートやレインコートの一時掛け場所に使えたら、と突っ張り棒を設置。でも、奥のものが取りにくくなるし、床に置いたものに重なりそうと結局使いこなせていない。

(B)色、形が異なるものが集まり、雑多な雰囲気。
棚にとりあえず置いたもの。車用の洗剤やスプレー、ヘルメットなど、色や形の異なるものが集まっているせいで、見た目がゴチャゴチャし、生活感が出過ぎてしまっている。

(C)収納場所に収まらず、玄関スペースに侵入。
バギーやスケボーなどの遊び道具、折りたたみの椅子などを床に直置きする最下段。置き方を考えず突っ込むようにしまってあるので、玄関スペースまで飛び出している。

 ↓

(After)

ごちゃごちゃした玄関&靴箱、「捨てられない」なら「並べ替え」でスッキリ。

ここにあるべきもの、ほかの場所に移動すべきものを仕分け、細かなものは種類ごとにケースに分けて収納。ケースに入れると見た目がスッキリし、取り出しやすくなる。使用頻度が高いものは手前、低いものは奥のほうに置くと使い勝手が上がる。置き方や置き場所を変えたら最下段まできれいに整い、コートを掛ける場所もできた。

靴箱の上

【片づけの基本は、小スペースにも役立つ。】
玄関に入ってすぐ目につき、日々の煩雑なものが集まりやすい場所。ただ、スペースも小さいので片づけの達成感がすぐに得られる。片づけが苦手な人が、最初に手がけるのに最適。

(Before)

ごちゃごちゃした玄関&靴箱、「捨てられない」なら「並べ替え」でスッキリ。

(A)バラバラものを置くと、乱雑な印象を与える。
スプレーやジェルなど、実用品がバラバラと棚の上全体に広がるように置かれて。置く場所を決めていないので、別の場所にあっていいものまで置きっ放しになっている。

(B)飾りと実用のものを一緒に置かない。
花やきれいなグラスなどの飾り物と、ペンやライター、印鑑など実用品が混在。奥には干支が違う置物や、置きっ放しの郵便物もあり、要不要をまめにチェックできていない様子。

 ↓

(After)

ごちゃごちゃした玄関&靴箱、「捨てられない」なら「並べ替え」でスッキリ。

靴箱の上や調理台、ダイニングテーブルなど広い面がある場所は無造作にモノを置いてしまいがち。「面」を見せることを意識して、モノを端に寄せて固めるだけでスッキリ。ハサミや消毒グッズなど実用品は高さ順に縦並べにすると整って見える。飾り物は中央にまとめ、飾る楽しさ、見た目の美しさを重視する。

片づけのハードルを上げ、苦手な人を何度も挫折と自己嫌悪に陥らせているのは、片づけの正解が“モノを減らす”ことだと勘違いしているから、と整理収納アドバイザーの中山真由美さん。

「捨てたくないのに捨てなければ、と思う片づけは誰にとっても苦痛でしょう。人によってモノの必要量は違うので、全員が“モノが少ない家”を目指す必要はありません。大切なのは、モノがあってもなくても“心地よい部屋”をつくっていくことです」

そこで、片づけが苦手な人にこそ試してほしいと中山さんが提案するのが、何も捨てずに整えるだけでスッキリ見え、達成感も味わえる方法。

「一般的な片づけは、モノを全部出す、いらないものを捨てる、カテゴリーや種類で分ける、使いやすくしまうという手順で行います。でも“捨てる”工程を省くだけで、苦手な人の心への負担は激減します。あるものを使いやすく、見栄え良く整えるだけでいいんです」

今回は、小学校低学年と2歳のふたりの娘を持つ読者Kさんの家を実例に、中山さんが推奨する最も簡単な“捨てない”片づけ術を教えてもらった。

「リモートワークが増え、家で仕事、家事、育児と様々なことをしなければならないので、まとまった片づけの時間が取れません。気づけばモノが散乱し、ゴチャゴチャした印象に」(Kさん)

雑然とした印象を生むのは、なんとなくモノを置いてしまっているから。

「置き場所を決め、モノの向きを整えるだけで印象はガラッと変わります。ただ、最初から家全体に取り掛かろうとせず、その時の体力や注げる時間に合わせて片づける場所を決めましょう」

今回は玄関脇の収納、靴箱の上の2カ所で実践。

「そこにあるものを全部出したら、人別や種類別に分類し、使う頻度を考えながら適した置き場所をつくっていくのが基本です。整えたところは頑張ってキープして、ほかの場所も並べ替えれば、家じゅうが片づいていきますよ」

  • 中山真由美

    中山真由美 さん (なかやま・まゆみ)

    整理収納アドバイザー

    お部屋と心のカウンセラー。「Ritta Stanza」主宰。片づけが苦手な人の心に寄り添うアドバイスに定評あり。https://rittastanza.com

『クロワッサン』1083号より

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