「年齢が高くなるほどデジタルガジェットを使いこなしたほうがいい」。スタイリスト地曳いく子さんのスマホ活用術。
マイペースにデジタルライフを楽しむスタイリストの地曳いく子さんのケースをご紹介します。
自分らしくスマホと付き合うヒントがここに。
撮影・青木和義 文・倉石綾子
年齢が上がるほど痛感するスマホのありがたさ。
30年以上もファッション業界の第一線で活躍しているスタイリストの地曳いく子さんは、大のデジタルガジェット好き。
バッグの中にはスマホ、仕事用のタブレット2台、読書用のキンドル、ノートパソコンに、移動中や休憩時間に活躍するブルートゥースのヘッドホン。腕にはスマホと同期しているスマートウォッチ、キーケースには自宅の鍵と一緒に紛失防止用のスマートトラッカーがきらり、輝いている。
「初めて手にしたデジタルデバイスはカシオの電子手帳。まだスマホのない時代、アドレス帳と地図はスタイリストの必携品でしたが、プレスルームが移転してもデータを上書きできる電子手帳は画期的でした。デジタル化の洗礼を受け、以来、アドレス帳とスケジュールはデジタルで管理しています」
地曳さんがデジタルガジェットを好むのは、「根がものぐさだから」だそう。
「ものぐさだけれど、ものごとは合理的かつスマートがいい。両立を叶えてくれるのがデジタルガジェットです」
そんな地曳さんはプライベートでもスマホの機能や便利なアプリを使いこなしている。
旅のプランニングやホテルの予約、航空券や新幹線の手配はスマホの旅行アプリやオンラインのチケットレスサービスで。ショッピングにはキャッシュレス決済のアプリを使うので、スマートウォッチひとつで身軽に出かけられる。
もちろん、自宅にもデジタルガジェットを取り入れてスマートホーム化を実現しており、出先でスマホのアプリからエアコンの室温や湿度をチェック、操作しているそう。
スマホやSNSのメリットを「家族や友人とのコミュニケーションをスムーズに行え、高齢者が社会から孤立しなくなる」と語る地曳さん、年齢が高くなるほどデジタルガジェットを使いこなしたほうがいいというのが持論だ。
「物忘れがひどくなってもスマホがスケジュールをリマインドしてくれますし、画面の文字が見えづらくなったら文字を大きく表示することも。生活を便利にしてくれる、私たちの世代にうれしい機能がたくさん備わっているのだから、これは使わなければ損!」
特に大人世代におすすめしたいというのがスマートウォッチ。転倒検出機能や不規則な心肺リズムの検知機能、緊急通報サービスが備わっているから、いざというときにも安心。実際、地曳さんの友人2名がこの機能に命を救われたとか。
「文字の大きさを変えたり、明るさを調整してみたり、まずはスマホの基本設定を見直してみるのはいかがでしょう? 自分が使いやすいようカスタマイズしてみたら、もっとデジタルガジェットと仲良くなれますよ」
(Working)スタイリングはスマホで撮影、管理。
スタイリストの仕事に欠かせないスマホ。打ち合わせの内容をメモしたり、コーディネートを撮影したり、商品のディテールをメモがわりに記録したり。「コーディネート写真はその場で担当編集者やプレスに送り、共有」
(Smart Watch)スマホなしで通話、外出がもっと身軽に。
スマホなしでも通話できるからと、スマートウォッチはセルラーモデルをチョイス。「これだけで電車に乗れてショッピングもできるから、スマホも財布も持たなくなりそう」。アップルウォッチのエルメスシリーズ4を愛用中。
(Accessories)仕事を効率化するスマートガジェット。
スマホのほかにもタブレット端末やタブレット用キーボードなどのアクセサリーを携帯し、外出先でも快適に仕事ができる環境を整えている。
キーケースには、紛失防止用スマートトラッカーを保護ケースに入れて携行。「スマホと同期しているのでスマホの紛失防止にも」
財布としても使えるスマホケースは首から下げるデザインで撮影中に使いやすい。「アマゾンで見つけ、酔っ払った勢いで購入しました」
スケジュールの管理はタブレット端末で。スマホよりも画面が大きいから1カ月単位の予定を把握しやすい。折りたたみ式のキーボードを使えば、原稿の作成までをタブレット1台でまかなえる。古いタブレットはサブ機として撮影現場で使用。
バッテリー切れが怖いからモバイルバッテリーや充電器は常に携帯。さまざまなデバイスに対応できるよう、マイクロUSBとタイプC、ライトニングの変換アダプタも持ち歩く。カラフルなデザインを選んで個性を出すのが地曳さん流だ。
(Smart Home)スマートホームで自宅も快適に。
自宅のスマートホーム化を進めた結果、テレビや照明のオンオフのほか、隣室のスピーカーやエアコンの調整が音声入力で操作可能に。「ソファから立ち上がる必要がなくなりました(笑)」
『クロワッサン』1072号より
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