サウナしきじ広報、笹野美紀恵さんに教わる「おうちサウナ」。
撮影・中島慶子(笹野さん)、黒川ひろみ(静物) イラストレーション・村上テツヤ 構成と文・長谷川未緒
手軽に試せる「おうちサウナ」。巡る体でリラックス。
「サウナは休憩を挟みながら、水風呂に入る温冷交代浴をしますから、体を外から温めるだけでなく、血管のポンプ機能を促し、血の巡りがよくなるんです。男性が入るものと思われがちですが、冷えの解消にとてもおすすめなので、女性にこそ利用してほしいです」
そう語るのは、サウナの聖地と呼ばれる『サウナしきじ』の娘で、温浴施設のプロデュース業を行う笹野美紀恵さんだ。自身、物心ついたころからサウナに入り、アメリカの大学に留学したときには「おうちサウナ」を編み出すほど、生活に欠かせない。
「熱いサウナから水風呂に入ることで交感神経が活発になり、休憩を挟むことで副交感神経が優位になります。この交感神経から副交感神経へのスイッチにより、心身ともに深いリラックスが得られるんです。私はサウナに入れない日が3日も続くと、夜寝つきにくくなります」
サウナはただ入るだけでもいいが、入り方の工夫で、より効果を高めることができるという。
心身の健康に役立つサウナの入り方
一般的なサウナは上が熱く、足元が冷たい。可能ならばあぐらをかいたり体育座りをしたりして足を上げて温めるといい。姿勢と呼吸も、大切だ。
「猫背だと内臓がつぶれて呼吸もしづらいので、肋骨を引き上げて姿勢を正しくし、腹式呼吸をするといいですよ。また、いい汗をかくためにはエクササイズを加えることがおすすめです」
サウナでかく汗は体温を下げるための汗だが、運動をしたときにかく汗は筋肉の発熱による汗のため、ダイエットやデトックスの効果もあるという。
「サウナに入る前に、スクワットをしたりストレッチをしたり、足の指をグーチョキパーと動かしたりすることで、運動をしたときのような汗が出ます」
コロナ禍でサウナに通いづらかったり、時間がなかったりする人は、下のイラストで紹介している笹野さん考案の「おうちサウナ」を。
「私は朝によく『おうちサウナ』に入ります。コンディションが整うので、一日をアクティブに過ごせます。家の中でお風呂は自分ひとりになれる大事なスペースですよね。第2のリビングのようにリラックスして、サウナを楽しみ、温活に役立ててほしいです」
1
約42度の湯を湯船の7分目までため、浴室にスチームが立ち込めるように熱めのシャワーを出す。その間にスクワットを10回行い、汗をかきやすく。
2
湯船に10分ほど浸かる。疲れがたまっているときにはヘッドマッサージをするのもおすすめ。あればサウナポンチョを着るとさらに効果大。
3
湯船から上がり、頭から20秒ほど水シャワーを浴びる。脇の下や鼠蹊部など、リンパの流れているところに当てるのもおすすめ。
4
体を拭きバスローブなどを着て、水分補給しながら5分ほど休憩。無理せずに、2、3、4をくり返す。1セットで終えても、3セット以上行ってもいい。
内側がポリウレタンコーティングされ、着て湯船に浸かれば汗がたっぷり出る。肩を冷やすこともない。
超微細な気泡の、肌にやさしいシャワーで、浴びるだけでうるうるもち肌に。ミスト水流にすれば水シャワーの刺激も緩和。
笹野さん愛飲のお茶。サウナの休憩時の水分補給に。女性の体にいいナツメ、龍眼、黒豆を集めた薬膳茶。
『クロワッサン』1059号より
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