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スパイスで新陳代謝を促す、鶏むね肉のカレー南蛮【呼吸器をうるおす健康レシピ】

冷たく乾燥した空気を吸い込む季節の呼吸器は、粘膜がカサカサしてしまい、細菌やウイルスと戦う免疫力も弱ってしまいます。
そこで、体を内側からうるおしてくれる食材を使ったレシピを紹介します。

撮影・岩本慶三 文・山下孝子

(白い食材、スパイス)のレシピ

誰もが好きなカレーの香りただようアレンジ南蛮漬け。

市販のカレー粉にはターメリック、クミン、丁子(クローブ)をはじめ、さまざまなスパイスがバランスよくブレンドされていますが、他の料理に使うことができず、つい余らせてしまう人も多いのではないでしょうか。

そこで、唐辛子ではなくカレー粉を使えば、辛さは控えめで香りが豊かな、酢の物が苦手な方でもパクパク食べられる南蛮漬けを作ることができます。

鶏むね肉からたんぱく質、ピーマンとにんじんからカロテン、さらにたまねぎから疲労回復の働きを持つビタミンB1と、腸内の善玉菌が好むオリゴ糖を摂取することができ、免疫力アップのために必要な栄養が集まっています。

ポイントは、メインの鶏むね肉に片栗粉をまぶす下ごしらえ。そうすることで、焼いたときのパサつきがなくなり、マリネ液もよく絡んでくれます。

鶏むね肉のカレー南蛮

スパイスで新陳代謝を促す、鶏むね肉のカレー南蛮【呼吸器をうるおす健康レシピ】
カレー粉は最初から他の調味料と混ぜず、最後の仕上げにかけたほうが、カレーの香りがよく残ります。また、できるだけまんべんなくかけるようにしましょう。
カレー粉は最初から他の調味料と混ぜず、最後の仕上げにかけたほうが、カレーの香りがよく残ります。また、できるだけまんべんなくかけるようにしましょう。
スパイスで新陳代謝を促す、鶏むね肉のカレー南蛮【呼吸器をうるおす健康レシピ】
カレー粉は最初から他の調味料と混ぜず、最後の仕上げにかけたほうが、カレーの香りがよく残ります。また、できるだけまんべんなくかけるようにしましょう。

【材料】2人分
鶏むね肉 …… 1枚
塩、こしょう …… 各少々
片栗粉 …… 適量
たまねぎ …… 1/2個
ピーマン …… 1個
にんじん …… 1/5本

A カレー粉 …… 小さじ1
  酢 …… 大さじ3
  醤油 …… 大さじ2
  きび糖 …… 大さじ1

菜種油 …… 大さじ1/2

【作り方】
1.鶏むね肉は2センチ角くらいに切り、塩こしょうをして片栗粉を薄くまぶす。たまねぎ、ピーマン、にんじんは千切りにする。
2.耐熱容器にたまねぎ、にんじん、ピーマン、Aを入れ、ラップをかけて電子レンジ(600W)で2分加熱する。
3.フライパンに菜種油を中火で熱し、鶏むね肉を焼く。両面焼き色がついたら蓋をして1~2分蒸し焼きにし、熱いうちに3のマリネ液に入れなじませる。

漢方の発想でうるおいを与える、白い食材とスパイス。

白い食材

【 白菜 】ビタミンCとカルシウムの吸収を助けるマグネシウムが多い。
【 白菜 】ビタミンCとカルシウムの吸収を助けるマグネシウムが多い。
【 大根 】抗炎症作用がある「イソチオシアネート」が含まれている。
【 大根 】抗炎症作用がある「イソチオシアネート」が含まれている。
【 かぶ 】白い根の部分にはビタミンC、カリウム、食物繊維が多い。
【 かぶ 】白い根の部分にはビタミンC、カリウム、食物繊維が多い。
【 牛乳 】カルシウムとたんぱく質、さらにビタミンAが豊富。
【 牛乳 】カルシウムとたんぱく質、さらにビタミンAが豊富。
【 山芋 】食物繊維のねばねば成分が粘膜を保護してくれる。
【 山芋 】食物繊維のねばねば成分が粘膜を保護してくれる。
【 なし 】果糖の「ソルビトール」には整腸作用があり食物繊維も豊富。
【 なし 】果糖の「ソルビトール」には整腸作用があり食物繊維も豊富。
【 豆腐 】腸内の善玉菌が好むオリゴ糖が豊富に含まれている。
【 豆腐 】腸内の善玉菌が好むオリゴ糖が豊富に含まれている。
【 ねぎ 】白い部分は硫化アリル、青い部分はカロテンが豊富。
【 ねぎ 】白い部分は硫化アリル、青い部分はカロテンが豊富。
【 白菜 】ビタミンCとカルシウムの吸収を助けるマグネシウムが多い。
【 大根 】抗炎症作用がある「イソチオシアネート」が含まれている。
【 かぶ 】白い根の部分にはビタミンC、カリウム、食物繊維が多い。
【 牛乳 】カルシウムとたんぱく質、さらにビタミンAが豊富。
【 山芋 】食物繊維のねばねば成分が粘膜を保護してくれる。
【 なし 】果糖の「ソルビトール」には整腸作用があり食物繊維も豊富。
【 豆腐 】腸内の善玉菌が好むオリゴ糖が豊富に含まれている。
【 ねぎ 】白い部分は硫化アリル、青い部分はカロテンが豊富。

スパイス

【 しょうが 】火を通すことで新陳代謝を促して体を温める作用がある。
【 しょうが 】火を通すことで新陳代謝を促して体を温める作用がある。
【 クミン 】抗酸化作用が高く、皮膚や粘膜の健康を守ってくれる。
【 クミン 】抗酸化作用が高く、皮膚や粘膜の健康を守ってくれる。
【 丁子 】胃腸の調子を整え、抗菌と抗酸化作用を持っている。
【 丁子 】胃腸の調子を整え、抗菌と抗酸化作用を持っている。
【 しょうが 】火を通すことで新陳代謝を促して体を温める作用がある。
【 クミン 】抗酸化作用が高く、皮膚や粘膜の健康を守ってくれる。
【 丁子 】胃腸の調子を整え、抗菌と抗酸化作用を持っている。

毎日の食事によって体の乾燥と冷えを防ぐ。

中国で誕生した薬膳の世界では、季節によって食べるべきものの色が決まっており、乾燥がひどくなる冬に備えて肺や鼻などの呼吸器にうるおいを与えるために、秋は「白い食材」を食べることが推奨されています。肺や鼻がうるおえば、消化器官である大腸の調子も整うと考えられており、腹式呼吸が内臓によい刺激を与え便通を促すため、確かにうなずけます。

このページで紹介している食材のほかには、豆乳、れんこん、白ごま、いか、百合根、さらに意外ですが豚肉などが白い食材です。

日本の夏は湿度が高いものの、熱中症予防のために一日中冷房をつけっぱなしが一般的になり、夏から体の内側と外側の乾燥が始まっている人も少なくありません。冬も暖房をかけるため、秋だけでなく冬の間も意識して白い食材を食べるようにしましょう。

さらに、白い食材に抗酸化作用や新陳代謝を促すスパイスを組み合わせてあげれば、冬の乾燥に対する備えは万全です。

  • 落合貴子

    落合貴子 さん (おちあい・たかこ)

    栄養士、フードコーディネーター

    自然食品メーカーでの栄養カウンセリング、料理研究家のアシスタントを経てフードコーディネーターの道に進む。スーパーで気軽に手に取れる食材を使い、栄養豊富でおいしいレシピを作り上げる知識と技術によってテレビや雑誌を中心に活躍。

『Dr.クロワッサン 感染症に負けない、カラダをつくる。』(2020年11月30日発行)より。

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