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【山田ルイ53世のお悩み相談】パート先が合っていないように感じます。

お笑いコンビ髭男爵のツッコミ担当で、作家としても活動中の山田ルイ53世さんが読者のお悩みに答える連載。今回はパートの初日に説明もなく仕事を任せられた女性からの相談です。

撮影・中島慶子

<お悩み>

初めてスーパーのお惣菜部門で働くようになったのですが、出勤1日目からレシピマニュアルと何を作るのか商品のリストを渡されて「これをやって下さい」と言われました。
そもそもどこに何があるのか説明されなく、不安になりいろんな所を見ていたら「何をしてるの?」と怒られました。聞かなかった私がいけなかったのですが……。私の勝手な思い込みかもしれないのですが、「すみません」とかの一言がなかなか言えない雰囲気があります。
合わないのかと不安に思うようになり、どうしたらいいのか分からなくなりました。どうしたらいいのかアドバイスをお願いします。

(マイナスな気分をプラスに考えたい/女性/スーパーのお惣菜部門で働き始めたパートです。軽い認知症の父(心筋梗塞で倒れた)介護しながら働いています。)

山田ルイ53世さんの回答

スーパーの総菜部門で働き始めた、“マイナスな気分をプラスに考えたい”さん。
お立場、お気持ちはよく分かります。

筆者も若い頃、様々なアルバイトを経験しました。
みかん農家のお手伝い、プールの監視員、家庭教師、工事現場での肉体労働、レンタルビデオ屋……大抵の職場ではあれこれ教えてくれる古株の先輩がおり、スムーズに仕事を覚えることが出来ましたが、唯一難儀したのはコンビニで初めて働いたとき。
レジ打ち、商品の陳列・補充は勿論、宅配便の受付、コロッケや鶏肉を揚げたり、肉まんを蒸かしたりといった調理等々……とにかくやることが多いのがコンビニ店員です。
にもかかわらず、初出勤時にご一緒したベテランバイトの方は、
「バカヤロー!見て盗め!」
と口にこそしませんが、とにかく板前か落語の修業のような緊張感を漂わせる、寡黙な男。
心底参りました。

上司(先輩のパートさん?)の方も、もしかすると総菜売り場を“自分が経営する小料理屋”、相談者との関係性を“板前と見習い”と妄想することで、日々の辛さを紛らわせているのかもしれません。
あるいは、
「新人の教育係なんて、それで給料が増えるわけでもないのに割に合わない!」
と不満を抱えているのかも。
まあ、いずれにせよ、相談者には関係のないこと。
当然、
「どこに何があるのか教えていただけますか?」
とハッキリ聞くべきでしょう。
“師匠”や“大将”は、グイグイくる弟子ほどかわいいもの……頑張って下さい。

  • 山田ルイ53世

    山田ルイ53世

    お笑いコンビ、髭男爵のツッコミ担当

    本名、山田順三。幼い頃から秀才で兵庫県の名門中学に進学するも、引きこもりとなり、大検合格を経て愛媛大学に進学。その後中退し、芸人へ。著書に『ヒキコモリ漂流記』(マガジンハウス)、『一発屋芸人列伝』(新潮社)、『一発屋芸人の不本意な日常』(朝日新聞出版)、近著に『パパが貴族』(双葉社)。
     公式ツイッター

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