精神科医・井原裕さんの「睡眠健康法」。
文・浅羽 晃 イラストレーション・ハラアツシ 撮影・岩本慶三
精神科医・井原裕さんの睡眠健康法
運動によって睡眠の質を向上!起床・就寝のリズムが大切です。
井原 裕さんのタイムスケジュール
【6:00】起床・勉強
【7:00】朝食
【7:30】出勤
【7:55】病院に到着
【8:00】救命救急センターのカンファレンス
【8:30】こころの診療科のカンファレンス
【9:00】午前の診療開始
【12:30】昼食
【12:55】昼寝(20分ほど)
【13:30】午後の診療開始
【17:00】診療終了
【17:15】管理雑務・メール返信・書類整理など
【19:30】退出・帰宅
【20:00】入浴・夕食
【21:30】勉強
【23:00】就寝
ドクター井原健康法(1)毎日同じ決まった時間に起床する。
井原裕さんは毎日6時に起きています。出勤前が貴重な勉強の時間ということもありますが、より大きな理由は、規則正しい起床が健康維持に結びつくからです。
「人間の体は地球の自転周期に合わせてプログラムされています。昨日、目覚めた時刻と同じ時刻に目覚めたくなる。食事も同時刻にお腹が空く。これが自然な姿ですから、健康管理の基本は、判で押したように、同じ時刻に起床や就寝、食事をすることなのです」
リズムの乱れに対する抵抗力が落ちる40代以降は、起床時間の変化は30分以内にしましょう。
ドクター井原健康法(2)毎日、7000歩を目標に歩く。
質のいい睡眠を得るためには運動をすること。わけても井原さんは、ウォーキングを推奨します。
「大腿四頭筋、腹直筋など大きな抗重力筋を使うので、効果的な運動です。1日の歩数は7000歩が目標。それ以上歩いても効果は頭打ちになります」
適度な疲れがもたらす良質な睡眠は、体の状態を高めます。
「ウォーキングをすると筋肉が傷み、骨の負担にもなりますが、疲れによって睡眠が深くなれば、筋肉や骨を補修する作業が進みます。これを日々繰り返すと、筋肉や骨の強化が進んでいきます」
【現代人はこんなに歩かなくなっている】
ドクター小林健康法(3)昼食と夕食のあいだに15〜30分の仮眠を取る。
井原さんは勤務先の病院の自室に仮眠用枕を常備しています。いつも良好な状態で仕事をするためには、昼寝が欠かせません。
「診療においても所属長としての業務においても、仕事をするときはテンションが高まっています。しかし、勤務時間中ずっとその状態を保つのは難しい。午後になるとパフォーマンスが落ちてくるのです。そこで、あえてテンションを下げるために、ほぼ毎日、15~30分間、昼寝をしています」
昼寝には、午後の仕事に備えるクールダウンのほかにも役割があります。それは夜の睡眠が足りないときの補填です。
「寝不足で眠くなったときは、仮眠を取ったほうが体のためになります。ただし、午前中はいけません。睡眠のリズムがさらに乱れてしまいます。仮眠を取るなら、昼食と夕食のあいだです。そして、日のあるうちに起きること。できれば外に出て、太陽光を体で感じるようにします」
昼寝によって寝不足を解消するときは、夜の睡眠のリズムを意識することが大切なのです。
編集部で試しました(お昼寝にぴったりの枕とマット)
【デスクでの昼寝のほか車中の仮眠時にも快適。】
クッションの下に手を通すことができて、手が痛くならず姿勢もラクです。カバーは外して洗えるので、清潔に保てる点もいいですね」。レッドのほかにグレーも。なくなり次第販売終了。
【眠りを誘うふわふわの感触。丸いデザインが頭を支える。】
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「敷き毛布は足元が上部より暖かくなる設計なので、すぐに眠くなります。これからの季節にぴったり」。