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【山田ルイ53世のお悩み相談】40才になっても結婚していない私、そんなに変でしょうか。

お笑いコンビ髭男爵のツッコミ担当で、作家としても活動中の山田ルイ53世さんが読者のお悩みに答える連載。今回は仕事一筋で恋愛をしてこないまま40歳になった女性のモヤモヤに応えます。

撮影・中島慶子

<お悩み>

はじめまして。
いつも、冷静かつ的確なコメントに、【気づき】と【勇気】をいただいております。
私は40歳になる女性です。20代~40歳まで一つの会社で、ジョブローテーションを経ながら、仕事に集中し生きてきました。結果、自分の生活や仕事も、それなりに評価できると思っております。
しかしながら、未婚のままろくに恋愛もせず、突っ走っている現状に何となく自分の足りなさを感じ、【結婚】【恋愛】を模索し始めました。マッチングアプリに登録し、男性とも複数お会いしましたが、合わず、気持ちが消耗するばかりで、疲れ果ててしまいました。
よく、【縁】は、必要なタイミングで来ると言われますが、他方で、周りから、「結婚したくないの?」「恋愛は興味ないの?」と煽られることが続いています。幸い、家族は理解があり私の人生だからと見守ってくれていますが、何となく申し訳なく思ってもいます。自分がどうするか?のみですが、永遠のテーマのようで、現状が咀嚼できておりません。
愚問かと存じますが、私のような女性をどのようにお感じでしょうか。

(ペリーコ/女性/サービス業の人事採用の責任者をしている40歳女性です。)

山田ルイ53世さんの回答

「周りから、『結婚したくないの?』『恋愛は興味ないの?』と煽られる」……残念ながらこういったおイジりは未だ存在するようです。
ペリーコさんに限らず煩わしいと感じている方も少なくないでしょう。
長年付き合いのある大親友、家族ならいざ知らず、そこまでの関係性でもない“周り”とのこの手のやり取りは、「余計なお世話」、「面倒臭い」のは元より、「あなたに言ったところで……」という不毛感もあるでしょうし、聞くほうも聞くほうで実のところ、大して興味もないわけですから、結局のところ誰の得にもならない。
げんなりしてしまいます。

さて、恐らく人生を丁寧に歩んで来られたのであろう相談者。
その軸足が“仕事”だったため、
「あれ、そういえば結婚……」
とふと気持ちが揺らぐとのこと。

とは言え、人間生きていれば、“取りこぼし”というのは必ずある。
いや、むしろあったほうが良いのかもしれません。
一度の人生で、歩めるルートには限りがあります。
裏を返せば、踏み固めず草ボーボーのままの未開部分があるからこそ、自分が歩いてきた道をハッキリ認識できるからです。

結局のところ、相談者ご自身も仰っている通り、「自分がどう思い、どうするか」でしかない。
周囲の雑音はこの際スルー。
今後の人生、1人は寂しいなと思えば、婚活に励めばいいし、
「友達や家族もいるし別に良いか……」
ということなら、アプリを削除すればいい。

只一つ、結婚といった「大ゴール」を意識するのではなく、とりあえず、趣味に興じるように、息抜き程度の軽い気持ちで会ってみるというのも手かと思います。
そもそも相談者は、ご自分でもハッキリとしたモチベーションがあるわけでもなさそう。
ガソリンが満タンでもないのに、結婚という遠くのゴールに向けての長距離ドライブとなればそりゃあしんどい。
ガス欠は必至。
最悪、山中で途方に暮れることになりかねません。
疲れるのも当然なのです。
しかし、
「ちょっと、いつもと違う人とご飯でも食べてみるか」
くらいなら、近所のコンビニに行くのと同じこと。
その分、無駄にハードルを上げることもなく、気楽に会えるのではないでしょうか。
最後に、相談者のような方をどう感じるかとの問いにお答えするなら、
「そういう人もいます!」
というだけ。
そもそも、結婚していないこと、それに積極的でないことを、「欠けている」と思う方こそ、何かが欠けているように感じますが。
自分が機嫌良く暮らせれば、それが一番です。

山田ルイ53世●お笑いコンビ、髭男爵のツッコミ担当。本名、山田順三。幼い頃から秀才で兵庫県の名門中学に進学するも、引きこもりとなり、大検合格を経て愛媛大学に進学。その後中退し、芸人へ。著書に『ヒキコモリ漂流記』(マガジンハウス)、『一発屋芸人列伝』(新潮社)、近著に『一発屋芸人の不本意な日常』(朝日新聞出版)。
 公式ブログ

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