電鍋は、台湾で定番の電気釜。
「内釜と外釜の二重構造となっていて、外釜に水を入れてスイッチを下げると加熱が始まり、蒸気で内釜に入れた材料の調理をしてくれます。水がなくなれば自動で保温に切り替わるので、ほったらかしにしておいても料理が出来上がる。蒸す、炊く、煮込むも簡単にできるんですよ」と、料理研究家の口尾麻美さん。
口尾さんが電鍋でよく作っているのが、台湾の冬のスープ、麻油鶏(マーヨージー)。
「黒ごま油としょうがで炒めた鶏骨付き肉を、ほかの材料と一緒に電鍋に入れるだけ。外釜に入れた1カップの水で、30分ほどで調理は終わり、あとは保温で放置すれば余熱で肉がほろほろと崩れるほど柔らかに」
もう1品、おすすめが、モロッコの牛肉と野菜のクスクススープ。
「モロッコではイスラム教の安息日、金曜日が“クスクスを食べる日”で、家族をはじめ大勢で分かち合いながら食べます。大きめに切った肉や野菜がゴロゴロ入っているほうがおいしいスープなので、まさに電鍋の出番。素材のおいしさを引き出しながら、簡単なのに上手に調理してくれます」