暑さはひとつじゃない。ユニクロが提案する、夏の“適材適暑”という考え方
写真/文・久保田千晴
夏の暑さが年々厳しくなり、40℃以上を示す「酷暑日」という新たな言葉まで登場するようになりました。けれど実際に過ごしていると、暑さの正体は1つではありません。梅雨のように湿気で汗が乾きにくい日もあれば、真夏の路面からの照り返しに体力を奪われる日もあります。
そんな暑さや環境に応じて、素材や機能、重ね着の工夫で快適さを整えるという新しい服選びの視点が、ユニクロが提唱する「適材適暑」。
熱中症対策の専門家・三宅康史さんによると、梅雨どきは汗を乾かしやすくすること、真夏は遮熱性や吸汗速乾、通気性を意識することが大切なのだそう。つまり夏の服選びは、ただ薄着をすればいいのではなく、その日の暑さや過ごす場所に合わせて考えることがポイント。というわけで、キッチン、ドライブ、オフィスなど、シーン別に着こなしを見ていきます。
キッチンでは、熱気と湿気をため込まないことが大切
たとえば、家の中でも意外と過酷なのがキッチン。調理中の熱気に加えて、お湯や蒸気の湿気もこもりやすく、狭い空間では風も通りにくいものです。そんな場所では、できるだけ服の中に熱をため込まず、汗をかいても肌に張りつきにくい着こなしが理想的です。
おすすめは、エアリズムインナーをベースに、襟元や袖口にゆとりのあるトップスやカーディガンを重ねる着方。肌に近いところで汗をすばやく吸って乾かしつつ、上に重ねる服で空気の通り道をつくることで、ベタつきを抑えやすくなるそうです。脱ぎ着しやすい薄手のカーディガンは、気温や冷房に合わせて調整しやすく、エプロンを重ねても、もたつきにくいのがうれしいところ。毎日の家事の中で感じる小さな不快感を、服の組み合わせでやわらげられるのは心強いです。
オフィスでは、外の暑さと中の冷えの両方に備える
夏のオフィスは、暑さ対策というより、むしろ寒暖差とのつきあい方が難しい場所。通勤や移動で汗をかいたあと、冷房の効いた室内に入ると一気に体が冷えてしまったり、逆に窓際では日差しが強くて暑かったりと、同じ空間の中でも快適さが安定しません。
そんなときは、汗をかいても乾きやすく衣服内の環境を整えるインナーに、軽く羽織れるカーディガンを合わせておくと安心。吸汗速乾性のあるベースがあれば、汗が冷えて不快になるのを防ぎやすく、UVカット機能のある羽織りなら窓際の日差し対策にも役立ちます。見た目が軽やかで薄手かつ、きちんと感もあるものなら、通勤にもオフィスにもなじみやすいはず。
さらに、移動時の日傘として使えるコンパクトなUVカットアンブレラをバッグに入れておけば、外に出る時間も少しラクになります。晴雨兼用で、直径も95cmとしっかり体を覆ってくれる安心感も◎。
ドライブは、座る場所によって暑さが変わる
真夏のドライブも、思っている以上に注意が必要なシーンの1つ。車の中はエアコンが効いているとはいえ、座る位置によって暑さの感じ方が違い、特に後部座席はエアコンの風が届きにくいこともあります。さらに、移動に合わせて日差しの向きも変わるため、前からも横からも紫外線を浴びやすく、背もたれとの間には熱や湿気がこもりがちです。
そんな環境では、風通しがよく、動きやすく、長時間座っていてもラクな服が頼りになります。たとえば、エアリズム素材のノースリーブワンピースのように、肌離れがよくて締めつけ感の少ないものは、長時間の移動にも向いていそう。さらに、サングラス、ハット、アームカバーなどUVカットグッズを組み合わせれば、車内外を問わず全方位の紫外線対策にも。
その日の暑さを知って、服を選ぶということ
ユニクロでは、駅ナカ店舗を中心とした一部店舗に大型気温計を設置されているそう。「真夏日」「酷暑日」など、その日の暑さを感覚ではなく見える形で知ることができれば、服選びの参考になりそうです。
今日は涼しく見える服より、汗が乾きやすいものを。今日は日差しが強いから、羽織りや日傘も忘れずに。そんなふうに、朝の支度の中で少しだけ視点を変えるだけでも、夏の過ごしやすさは違ってくるはず。
毎日の暮らしの中で無理なく続けられる暑さ対策として、まずは着るものから見直してみてはいかがでしょうか。
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