どんなふうに暮らしていたら、こんなに元気でいられるのだろう。東城さんに尋ねると、実は、若いころに大病をしたのがきっかけで、自然食を実践し始めたという。
「24歳のとき、結核にかかりました。栄養をとらなくてはと、卵や肉、牛乳などの動物性のものをせっせと摂取したんですが、一向によくならない。重症の結核で肺に穴があいて、呼吸困難になっていました。その頃出会った医師に、たんぱく質を摂るのではなく、ビタミン、ミネラルの豊富な玄米食がよいと勧められたんです」
玄米食に切り替え、山菜、発酵食品などを積極的にとるようにした。こんにゃく湿布がいいと聞けば、こんにゃくを煮てタオルなどでくるんで体にあてて温めた。それでも冷えるときは、しょうが湯をタオルに浸してて腹と腰に巻いた。やがて呼吸困難は治まり、食欲が出て、29歳のときに結核は治癒した。自らが体験し、病を克服した自然食と自然療法の力。それを他の人にも伝えたいという強い思いが、いまも東城さんの原動力になっている。
「いまでも、体が弱ったときはこんにゃくの温湿布やしょうが湯の湿布をしています。毎日やっているのは、びわの葉の温灸です。おなかの、とくに肝臓、腎臓、脾臓のある場所と、自分の体の悪いところにびわの葉を当て、火をつけたもぐさで上から温めるの。びわの葉のエネルギーがじわーっとしみてきます」
こんにゃくの温湿布、しょうが湯の湿布、びわの葉の温灸のやり方は、著書『家庭でできる自然療法』に詳しく出ている。いずれも「疲れない程度、気持ちよくなる程度に行うのがこつ」という。
「とにかく、実践してみなくちゃ。自然療法は体で学ぶんです。人が言うからじゃなくて、自分の体が納得するように行うの。やってみれば、体が教えてくれますよ」