くらし

中井美穂さんが中札内美術村へ。点在する美術館と美しい庭園に時間を忘れる。

短くも美しい季節を迎えた、北海道の十勝。その地に縁を得て、足しげく通うのがアナウンサーの中井美穂さん。十勝の尽きない魅力とその楽しみ方を案内してもらった。
  • 撮影・青木和義 ヘア&メイク・高松由佳

「気負わず、アートを楽しむ」。そんなことが自然にできる自分がいます。

「相原求一朗美術館」では美しき北海道を描く第一人者と名高い洋画家・相原求一朗の作品を展示。 連作である「北の十名山」も見ることができるが、今期は巡回展に貸し出し中。

中井さんが必ず訪れるもうひとつの場所が美術村。柏の木が茂る森に5つの美術館が点在、さらには庭園や芝生も有する広大な施設だ。

「ゆっくり散歩していると、ところどころに美術館が現れます。そのすべてが建物、展示にいたるまで個性的で、素通りできない。屋外にも彫刻がふいに展示されていたりして、つい時間を忘れてしまいますね」

そう話す中井さんが歩くヤマモミジの並木道や遊歩道に敷かれているのは、旧国鉄の枕木と、札幌軟石。随所にそんな歴史の香りと、先鋭的な感覚がさりげなく同居しているのも中井さんの琴線にふれるという。

「たとえば建物のレトロな風情が素敵な『相原求一朗(あいはらきゅういちろう)美術館』ですが、奥の増築部分に進むと、ぐっと現代的でシャープなデザインになるんです。そうすると同じ画家の絵なのに、鑑賞する側の感覚もがらりと変わる。古き良き、に終わらない仕掛けに唸らされます」

帯広市街の銭湯だった古い建物を移築し、美術館に。
建物奥の展示エリア。窓からの景色も訪れる人を虜に。

色とりどりの花が時季によって楽しめる美術村庭園。美しく整えられたイングリッシュガーデンに続く大きな芝生には、中井さんが「早く会いたい」と言うほど大好きな彫刻が。

「子どものような、天使のような。とにかく可愛くて一目ぼれでした」

芝生の中央に配された、複数の子ども像は、彫刻家・青木三四郎の作品。

「ここではアートに対してすごくオープンマインドになれるんです。作品を『感じる』ことの片鱗が理解できる……気がして(笑)。きっとこのロケーションのおかげかな」

像は全部で6体。彫刻家・青木三四郎が「心の中にある子ども」を具現化した作品群、『MEMORY』より。
まっすぐに植えられたカラマツ。真下から見るとその高さが空に映えて。
5月までが見頃のスイセン。6月はシャクヤクやゲラニウムなどが花盛りに。
「風が気持ちいいね♪ 」お尻が何ともキュート。
「つい写真を撮りたくなる場所が多くて。友人と訪れると、お互い撮影会に(笑)」

中札内美術村
なかさつないびじゅつむら●北海道河西郡中札内村栄東5線 TEL.0155-68-3003 とかち帯広空港から車で15分、JR帯広駅から車で約40分、六花の森とは車で約10分。入館料:無料(任意による寄付受付中) 開館は10月20日まで。開館時間:10時~17時(9月24日以降~16時) 水曜休(7月無休、8月7・14・21日は営業)

人気レストラン「ポロシリ」。

「ポロシリ」には必ず立ち寄る、という中井さん。「十勝とのご縁をくださった料理家の松本忠子先生がメニュー監修をされています。
歩きまわってお腹がすいているときは、バターライスがきいたポロシリカレー(830円)を。小腹がすいているときは先生考案の十勝おこわ(480円)を食べるのが私の定番コースです」
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