「この蜂蜜は、鷹狩りの世界大会でキルギス人の鷹匠に“世界一おいしい蜂蜜だ”と頂いたもの。実際に食べてみるとすごくワイルドで濃厚な味。一気にやみつきになってしまいました。聞けば、ヨーロッパの上流階級の人たちもわざわざ買いつけにくるんだそう。皆さんにも一度味わってほしい。特にライ麦100%のパンにつけると本当にうまいから!」
そう話すパンク町田さんは3000種以上の動物の飼育、治療経験を持つ動物研究家である。こちらの蜂蜜に出合って以来、朝食が米からパンに変わったと言う。
「食べ物には徹底的にこだわり、楽しむ性分。かと言って高級なものばかりを食べるわけじゃなく、たとえば牛丼だと毎日食べるならここ、家庭的な味を欲していればここ、とその日の気分で変えるんです。いま一番食べてみたいのはアルゼンチンで飼育されている、アフリカとアジアのハイブリッド水牛ですね。その赤身のうまさを想像するだけで涎が出てきますよ。まだ食べたことないのに(笑)」
お腹が空いたから何となく食べる、では、食物に失礼だ。
「昔、空腹で仕方がない時に母が握った塩むすびを食べて、そのうまさに涙を流したこともある。食は感情を揺さぶるんです。食べてしまえば何も残らないものにこそ、そのためにお金を払ったり努力する意味がある。食わず嫌いはしません。いろんな動物も昆虫も食べました」
鷹匠としても腕を磨く。世界大会では4年連続優勝という偉業を成し遂げた。
「僕はハヤブサを上空300〜400mまで飛ばして獲物目がけて落下させることができますが、それは彼らが2日おきに狩りをする習性を見抜いたから。人間の理屈で毎日調教したり餌を与えても意味がない。動物の身になって考え、向き合うことは本当に大事なんです」