くらし

【山田ルイ53世のお悩み相談】「飲み会」が増えることを考えると出世を躊躇してしまいます。

お笑いコンビ髭男爵のツッコミ担当で、作家としても活動中の山田ルイ53世さんが読者のお悩みに答える連載。今回は上を目指したいが上司との付き合いが増えるのが怖い会社員からの相談です。
  • 撮影・中島慶子

<お悩み>
いつも相談コーナーの記事を楽しく読ませていただいています。
今の会社で働き始めて丸3年で、現在主任という役職を頂いているのですが、一つ悩みがあります。
今後、上の役職を目指すにあたって僕が最も苦手とする「飲み会」の場が増えていくということです。
気心の知れた同僚ならいいのですが、代表や社長をはじめとした役員に誘われることが増えるかと思うと、上を目指すのに躊躇してしまいます。
過去に副社長と僕が所属する部署の食事会があったのですが、2時間近く副社長の目の前の席になり、カチカチに固まって会話にならなかったのを今でも覚えています。もし今後サシ飲みなどに誘われたらと考えたら不安で潰れそうですが、給料も欲しいのでやっぱり上は目指したい…そんな状態です。
山田ルイ53世さんならこの危機をどう乗り越えられますか?是非ご教授願いたいです。 (変なオジ/男性/自動車関係の企業で経理をしている30歳の会社員です。ちなみに独身です。)

山田ルイ53世さんの回答

筆者は、社交性が重視される芸能界に20年以上身を置きながら、相当数の酒の席、お誘いを回避してきました。
理由は、苦手だからです。
相談者と全く同じ、むしろ根深いかもしれません。
結果、今では、
「あいつは、どうせこねーよ……」
と誘われること自体無くなりました。

気楽な反面、寂しい思いをすることも多い。
仕事上の弊害も間違いなくあったでしょう。
正直、もっと気軽に誰とでも付き合っていれば……と後悔する部分もあります。
とは言え、心の平穏等、諸々考えれば、今の状況がベスト。
要は、こういう問題に、プラス面だけ、マイナス面だけということはあり得ない。
トータルでどうだろうということではないでしょうか。

さて、そんな筆者ではありますが、目上の方々との会食経験は、職業柄、相談者に比べれば数多くあると思われます。
加えて、口幅ったいのですが、苦手と言いつつ、"可愛い後輩"をキッチリ演じることも実は出来ます。

ノウハウは幾つかありますが、一番簡単なのは、とにかく、質問すること。
「○○さんが入社したときって、うちの会社どんな感じだったんですか?」
「あの企画ってどうやって思い付いたんですか?」
「こういうトラブルには、どう対処すれば良いんでしょうか?」
……色々訊いてあげましょう。
自らの武勇伝、成功譚を語るのを厭う人間はいません。
誤解して欲しくないのですが、これは皮肉でも何でもなく、実際に役立つ情報も結構含まれているものなのです。
おまけに、向こうは何度も話しているネタなので、漫談も仕上がっている。
耳を傾け、やや大袈裟にリアクションしていれば、飲み会などあっと言う間に終了です。
たとえ、長引いても心配ありません。
それは、あなたが上司に"ハマった"証拠。
いずれにせよ、損にはならないでしょう。
ご武運を。

山田ルイ53世●お笑いコンビ、髭男爵のツッコミ担当。本名、山田順三。幼い頃から秀才で兵庫県の名門中学に進学するも、引きこもりとなり、大検合格を経て愛媛大学に進学。その後中退し、芸人へ。著書に『ヒキコモリ漂流記』(マガジンハウス)、『一発屋芸人列伝』(新潮社)、近著に『一発屋芸人の不本意な日常』(朝日新聞出版)。
⇒ 公式ブログ

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