くらし

ドイツ人の余裕を生んだ発明。│束芋「絵に描いた牡丹餅に触りたい」

今まで私が観た映画に出てくる発明家の多くはドイツ人という設定が多い。

確かにドイツ人が発明した、歴史を左右するような発明は数多く、ネットで調べたら、こんなものも?!
というのが色々出てくる。

ここ数年、私は版画作品を作らせてもらっている。銅版画を主にした作品で、それを刷るためのプレス機もドイツ発祥。現在使われてる版画のための機械や素材はほとんどがドイツ製らしい。去年、ダリやピカソも制作したという、パリの歴史ある版画工房を訪れる機会を得た。そこで使われている機械も全てドイツ製だった。

しかしながら、版画作品が刷られた量は圧倒的にフランスが多いという。ドイツが発明し、フランスで花開く。ドイツは長く使われる確固たる仕組みを作り上げ、技術を輸出するということを昔からやってたんだなぁ、と尊敬し、フランスは技術を文化に育て上げることが昔から上手だったんだなぁ、と感心する。

ドイツ人から受ける「足るを知る」という印象も、こういう革命的で長く世界で使われるものの発明を数々してきたからこその、圧倒的な余裕からきてるような気がする。

日々の些細なことで右往左往しているとき、そんな余裕が欲しくなる。版画に携わる時間は、そんな長い歴史に思いを馳せることができ、ドイツ人の持つ余裕を少しは共有できる気がしてくる。

束芋(たばいも)●現代美術家。近況等は、https://www.facebook.com/imostudio.imo/にて。

『クロワッサン』996号より

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