くらし

岡本敬子さんの東京の味。豊富な自然派ワインを、各国料理と楽しめるなんて!

ありとあらゆるおいしいものと洗練されたものがひしめき合い、ただ歩くだけでも刺激的な街、それが東京。恩恵を受けられるのはなにも住人だけに限りません。仕事や観光で訪れたつかの間にも街の力がフルチャージされるはず。食通が考える、今の東京を体現するお店を知り、店選びの基準を学んでみましょう。
  • 撮影・青木和義、黒川ひろみ
岡本敬子さん ファッションディレクター

雑多な文化があって、それを何でも受け入れる土壌があるところが東京であり都会だと思っています。仕事で地方に行くことが多いのですが、帰ってくるとより強く感じますね。いろんな国、いろんなものがミックスされて、それをアレンジしたものが出てくる。〝こなし〟がうまいんですよね。

『サルーズキッチンマーケット』もそう。自然派ワインで中華なんて、すごく東京的で、外国からのお客様をお連れすると絶対大喜び。ワインを飲むと頭痛がする人がいますが私もそうで、でも自然派ワインだと痛くならないんですよ。だから春餅を自然派ワインで食べられるなんて東京だけでは?と喜びつつ、巻き巻きして食べています(笑)。

『アヒルストア』は最初に夫(編集者の岡本仁さん)が知人に聞いて通いだして、「多分、好きだと思うよ」って連れて行ってもらったのがきっかけです。今は人気店なので1時間並びます。よく言われるんです、「岡本さん(行列を)パスしてるんじゃないですか?」って。でもちゃんと並んでるのよ(笑)。そういう変な配慮がなくて、誰に対してもフェアっていうのが気持ちいいんですよ。このカッコつけてない雰囲気でサイウア(チェンマイソーセージ)と一緒に自然派ワインが飲める街なんて東京にしかないと思います。

夫とは、割としょっちゅう一緒に食べに行きます。お互いなんとなく溜まってる話をしたり。外食の趣味が似てるんですよ、お酒の好みも合うし。いい店を見つけたらこうやって教えてもらうことが多いですね。私は、常に新しい店に行ってみよう、などとアンテナを張ってるわけではないんです。

地方にも気の利いた店は増えていて、東京とまた違う良さがあるからそれはそれで堪能しています。一方で、たとえば『アヒルストア』にはだいたい土曜日か、出張から帰ってきた時に行くのですが、あそこで食事をすると、東京に帰ってきたなあという気分になるんですよね。東京には、そんな心の食堂的な存在があるのが、私にはうれしいです。

【北参道】チャイナ食堂 サルーズキッチン マーケット

『チャイナ食堂 サルーズキッチンマーケット』の〈春餅(チュンピン)〉1人前1,000円(2人前から注文、写真は4人前)。手前右から時計回りに、ムラサキ大根の甘酢漬け、パクチー、ビーツのマリネ、もやしのマリネ、錦糸卵、キュウリ、自家製チャーシュー。これらを甜麺醤とともに中央のクレープのような餅(ピン)で巻いて食べる。
最近メニューに加わった、茹でた豚肉を甜麺醤とキュウリで食べる四川料理、雲白肉(ウンパイロウ)〈私、雲白肉っていいます。〉1,450円。
〈酸っぱ白菜ちゃん〉など、お茶目なメニュー名もこの店の醍醐味の一つ。
「この配分が、いつも難しいんですよね。餅が余っちゃったり、どれかだけ具が余っちゃったりすると悔しい(笑)」と楽しそうに春餅を包む岡本さん。
姉妹店『bistro コンカ』のオーナーがセレクトした「中華に合うワイン」がラインナップ。
『チャイナ食堂 サルーズキッチンマーケット』の〈春餅(チュンピン)〉1人前1,000円(2人前から注文、写真は4人前)。手前右から時計回りに、ムラサキ大根の甘酢漬け、パクチー、ビーツのマリネ、もやしのマリネ、錦糸卵、キュウリ、自家製チャーシュー。これらを甜麺醤とともに中央のクレープのような餅(ピン)で巻いて食べる。
最近メニューに加わった、茹でた豚肉を甜麺醤とキュウリで食べる四川料理、雲白肉(ウンパイロウ)〈私、雲白肉っていいます。〉1,450円。
〈酸っぱ白菜ちゃん〉など、お茶目なメニュー名もこの店の醍醐味の一つ。
「この配分が、いつも難しいんですよね。餅が余っちゃったり、どれかだけ具が余っちゃったりすると悔しい(笑)」と楽しそうに春餅を包む岡本さん。
姉妹店『bistro コンカ』のオーナーがセレクトした「中華に合うワイン」がラインナップ。

カフェのような空間で味わうワインと中華のペアリング。

昨年4月にオープンしたばかりなのに、早くも北参道の新名所、行きたいお店として名が挙がる。その理由は、新感覚の中華料理と、日本、ポルトガル、フランス、南アフリカ、イタリアなど世界各国のものが揃っている自然派ワイン。

「生産数が少ないワインも充実。中華のスパイスには赤が合いますね。〈春餅〉は〆に定期的に食べたくなります」(岡本さん)

ちゃいなしょくどう さるーずきっちんまーけっと●東京都渋谷区千駄ヶ谷4-22-6 TEL:03-6804-6034 営業時間:11時30分〜15時、18時〜23時(21時30分LO)、土・日曜は夜のみ 火曜休

【富ヶ谷】アヒルストア

岡本さんの一押し、チェンマイソーセージ〈サイウア〉1,200円。「旅先で食べた料理をメニュー化した第1弾はこれかも?」と輝彦さん。「初めはおっかなびっくり出したけど、人気が出てよかった(笑)」。ワインはグラス1,000円から。
〈葉玉葱とムカゴのサブジ〉900円。インド料理のサブジ(野菜の蒸し煮)を、最近インドやスリランカへの旅行が続いている和歌子さんが、オリジナルレシピでメニューに。
毎日焼き立て、和歌子さんによる自家製パンも看板メニューのひとつ。
窓際にずらりと飾られたワインボトルが、ワインリスト代わり。
岡本さんの一押し、チェンマイソーセージ〈サイウア〉1,200円。「旅先で食べた料理をメニュー化した第1弾はこれかも?」と輝彦さん。「初めはおっかなびっくり出したけど、人気が出てよかった(笑)」。ワインはグラス1,000円から。
〈葉玉葱とムカゴのサブジ〉900円。インド料理のサブジ(野菜の蒸し煮)を、最近インドやスリランカへの旅行が続いている和歌子さんが、オリジナルレシピでメニューに。
毎日焼き立て、和歌子さんによる自家製パンも看板メニューのひとつ。
窓際にずらりと飾られたワインボトルが、ワインリスト代わり。

並んででも入りたい、絶品ビストロ料理のワインバー。

開店は2008年、今や東京のワイン好きが集う店として定着。オーナーの齊藤輝彦さんと妹の和歌子さん兄妹の料理センスは、訪れた人の心に残るものばかり。「8月に1カ月お休みして旅行に行かれるんですが、その行った先の料理が、9月に再開した時にメニューに出てくる。毎回毎回アップデートされるのが楽しみなんです」と岡本さん。

●東京都渋谷区富ヶ谷1-19-4 TEL:03-5454-2146 営業時間:18時〜24時、土曜15時〜21時 水・日曜休

岡本敬子(おかもと・けいこ)●ファッションディレクター。アタッシェ・ド・プレスとしての活動のほか、自身のブランド『KО』もディレクション。近著に『好きな服を自由に着る』(光文社)が。

『クロワッサン』995号より

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