紀行作家・光瀬憲子さんの台湾ならではのB級グルメ。地元の味を、食べ歩きで満喫する。
撮影・黒川ひろみ 文・光瀬憲子
酒場不毛地帯・台北で、美味しいツマミとビールを満喫する。
【龍山寺駅】沙茶牛肉大王(サチャニョウロウダーワン)
下町酒場を彷彿させる廟前の人気店で昼酒を。
清水巖祖師廟に隣接する昼飲み酒場。常連客はピリ辛の沙茶タレ牛肉炒めと牛モツスープで一杯飲むために遠方からやってくる。焼酎を漢方酒「保力達(パオリータ)」で割った酒と合わせるのが台湾流。
【大橋頭駅】阿萬毛蟹(アーワンマオシエ)
大稻埕慈聖宮(ダーダオチェンツーシエンゴン)に隣接する食堂は、酒好きのオアシス。
酒を出す食堂が少ない台湾にあって、朝から美味しいツマミとビールが楽しめる。パリッと揚がったエビ(酥炸蝦)や店頭で煮込まれた白菜(滷白菜)、豚肉の唐揚げ(紅焼肉)などが格安でおすすめ。
【大橋頭駅】阿華鯊魚烟專賣店(アーホァサーユーイェンジュアンマイデェン)
野趣溢れる骨付き豚肉に思わずビールもすすむ。
店名にもなっている名物の燻製サメ盛り合わせ(鯊魚烟100元)は歯ごたえの異なる様々な部位が楽しめる。キクラゲ炒め(炒木耳)や骨付き豚肉(醬頭骨)のつまみも充実しておりビールが進む。
【中山國中駅】酒窩(ジョウウォ)
ジョッキ片手に、充実の居酒屋ツマミを楽しむ。
日本料理店で修業をした主人が始めた、地元サラリーマンに愛される居酒屋。台湾では珍しく中ジョッキの生ビールが飲める。焼き鳥(雞肉串)などツマミが充実。日台融合を体験できる不思議な空間。
【龍山寺駅】龍城號 (ロンチェンハオ)
50〜60元の小皿料理やシメの麺もおすすめ。
小ぎれいな店内で上品な味付けの小皿料理とビールが楽しめる老舗食堂。女性1人でも安心して入れる雰囲気が人気。百年以上続く看板の切仔麵(チエズミェン)はぜひ旨味の深いスープとともに(黄金玉子は別売り)。
光瀬憲子(みつせ・のりこ)●紀行作家。1972年、横浜市生まれ。7年間の台北生活を生かした著書多数。近著に『ポケット版 台湾グルメ350品! 食べ歩き事典』が。
*1台湾元=約3.6円(2019年2月22日現在)
『クロワッサン』993号より
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