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遅すぎるということは決してないし、老いすぎるということも決してない――ソルヴェイグ・A(室内装飾家)

1977年創刊、40年以上の歴史がある雑誌『クロワッサン』のバックナンバーから、いまも心に響く「くらしの名言」をお届けする連載。今回は、歳を重ねる不安を吹き飛ばしてくれる、フランス人女性の声を紹介します。

文・澁川祐子

1978年3月号「ファッション 女の一生」より
1978年3月号「ファッション 女の一生」より

遅すぎるということは決してないし、老いすぎるということも決してない――ソルヴェイグ・A(室内装飾家)

前回に続きフランス『ELLE』誌との提携による、ファッションを通して女性の人生を考える記事。ページをめくると、40代、50代、60代それぞれの年代のフランス人女性が登場し、一問一答形式によって等身大の姿が引きだされています。

質問は、「40歳にとって、閉経の意味は?」「50歳の肌は?」「60歳にとって、後姿は?」などと、かなりストレート。そのなかで50代の女性に向けて発せられた「あなたの50歳のテーマは?」という問いかけへの答えが、今回の名言です。

この女性はちょうど生き方を変えたところで、<自然のなかでしか働くまいとして、パリを捨てた>といいます。

そんな彼女にとって、50歳とは<人生をもう一度手中におさめることはいつでもできるのだ>ということを知った時期。まだまだ発見すべきこと、なすべきこと、危険を承知でやってみることがたくさんあると語ります。だから「遅すぎるということも、老いすぎるということも決してない」というわけです。

彼女はまた、「50歳の肌は?」という質問に<愛着を持ち、手入れを怠ってはならない昔なじみの親しいもの>と答えています。歳を重ねれば当然、変化は訪れます。でもそれは身体にかぎったものではありません。身体的な変化を、慈しみをもって受けいれる一方で、精神的にどう変化し、どのように生きるかは自分次第。そうエールを送られていると受けとめました。

※肩書きは雑誌掲載時のものです。

澁川祐子(しぶかわゆうこ)●食や工芸を中心に執筆、編集。著書に『オムライスの秘密 メロンパンの謎』(新潮文庫)、編著に『スリップウェア』(誠文堂新光社)など。

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