くらし

洋服どうしのかけ算ができるのが理想です――編集部

1977年創刊、40年以上の歴史がある雑誌『クロワッサン』のバックナンバーから、いまも心に響く「くらしの名言」をお届けする連載。今回は、読者アンケートをもとにしたファッション特集から、ワードローブの基本を取りあげます。
  • 文・澁川祐子
1977年12月号「ワードローブは28点以下で充分です。」より

洋服どうしのかけ算ができるのが理想です――編集部

「断捨離」や「ミニマリスト」が話題になり、シンプルライフが称揚される昨今。大量消費社会が行き着いたすえの潮流といわれますが、じつは40年あまり前から、人々は押し入れやクローゼットのなかで増え続ける服に頭を悩ませていたのだ、ということが当時のファッション特集から読みとれます。

クロワッサンでは、創刊時に読者アンケートを大々的に募集。約1000名からの回答で明らかになったのは、いろんな種類の服をたくさん持っているという実態でした。しかし、それらをちゃんと活用できているかは、また別問題。そんな疑問から生まれたのが、「ワードローブは28点以下で充分」と高らかに宣言する特集です。

28点の内訳は、ワンピース2着、ツーピース3着、アンサンブル2着、シャツとブラウス6着、セーター5着、カーディガン1着、ベスト1着、スカート3着、コート3着、パンツ2着。それらを<どれほど自由自在に組み合わせられるか>が大事で、

<一枚のシャツを一枚のスカートではなく、数枚のシャツと数枚のスカートが、いわばかけ算のように組みあわせられれば成功です>

といいます。いわば、いまで言うところの「着回しコーデ」の基本中の基本。列挙されているアイテムに時代の流れをやや感じるものの、やはり鉄則に変わりはないよう。結局のところ“厳選されたワードローブ”は、いつの時代にとってもおしゃれの難題なのかもしれません。

※肩書きは雑誌掲載時のものです。

澁川祐子(しぶかわゆうこ)●食や工芸を中心に執筆、編集。著書に『オムライスの秘密 メロンパンの謎』(新潮文庫)、編著に『スリップウェア』(誠文堂新光社)など。

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