漫画通の山本浩未さんが解説! 画業50年にわたるプロの足跡を堪能!『一条ゆかり展』 | アートとカルチャー | クロワッサン オンライン
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漫画通の山本浩未さんが解説! 画業50年にわたるプロの足跡を堪能!『一条ゆかり展』

『有閑倶楽部』レコードジャケット 原画 1984年 (C)一条ゆかり/集英社 シリアスな物語を追求してきた一条さんが、おバカなギャグに挑戦した大ヒット作。表現の幅を広げた。

ドラマチックな世界を描き続け、長きにわたり不動の人気を誇る少女漫画家、一条ゆかり。デビュー50周年を記念した本展では、貴重な初期作品から『デザイナー』『砂の城』『有閑倶楽部』などの代表作の原画を中心に、彼女の画業を紹介する。

山本浩未さん ヘア&メイクアップアーティスト やまもと・ひろみ●へアメイクの第一人者として、女性誌をはじめ多方面で活躍中。『おとなメイクは白・黒・赤だけでいい』(宝島社)など著作多数。

「今の自分の仕事における世界観があるのは漫画のおかげ。さらに初めて認識した少女漫画が、一条先生の『はだしのマドモアゼル』でした」。そう話すのは少女漫画を愛する山本浩未さん。本展を通じ、一条さんのプロフェッショナルな仕事に感銘を受けた。「今読んでも、一切、古くさいと感じません。それは、とてつもない妄想力と、ホテルのシーンを描くために実際にホテルに泊まるというような、本物志向の賜物だと思います。また、読者へ作品に対するメッセージを伝えるために、緻密に戦略を練って描いていることもこの展覧会で初めて知りました。先生の物語は、純粋さと上っ面だけじゃない人間の裏の部分の両方を見せてくれるのに感銘を受けています」

華やかなタッチの絵も展覧会での見どころと、山本さんは分析する。

『デザイナー』『りぼん』1974年12月号 扉 (C)一条ゆかり/集英社 当時の流行を追わずに信念を貫くことで、自分らしい物語と絵を確立したターニングポイント作品。

「原画を拝見し、線の繊細さやデザインの構成、色使いなど、絵の美しさと素晴らしさをあらためて感じました。一条先生は、みんながいいと感じるバランスの絵を描ける人。しかも、作品によっては、一歩先に進んだり、逆に、優しく一歩下がって描くこともできる。だからこそ、多くの人から支持されるエンターテインメントを生み出せるのではないでしょうか。50年にわたって、こういうことができる漫画家は、とても希有な存在だと思います」

『風の中のクレオ』(前編)1971年1月発行 カバー原画 (C)一条ゆかり/集英社 孤独を抱える少年・クレオと、明るい少女・ベルの愛の物語。1970年頃の代表作として知られている。

『一条ゆかり展』
弥生美術館 ~12月24日(月)まで
弥生美術館(東京都文京区弥生2-4-3)にて12月24日まで開催中。貴重な雑誌デビュー前の貸本作品も展示。電話番号03-3812-0012 10時〜17時(最終入館は16時30分) 月曜休館(12月24日を除く) 料金・一般900円

『クロワッサン』984号より

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