「小さいときから本を読むことがすごく好きで、何かを書くということに対して憧憬を抱いていました。人生の中でそれがひとつでも形になれば、そんな幸せなことはないなと。でもまさかエッセイを書くとは思いませんでした。書くとしたら、なんとなくフィクションかなと思っていたので」
日記は1回につき4〜7ページ。これが掌編小説のように面白い。ティーンばかりの語学学校で最初は浮きまくっていた31歳の女性が、中学生以下の英語レベルのクラスからやがて大学生ばりにアカデミックなクラスに進級していき、映画好きが高じてウィスコンシン大学の映画の授業をゲストで聴講するまでに。まさしく、ビルドゥング・ストーリー(教養小説)。
「頑張って勉強して英語も話せるようになってきて、少しずつ自信がついて殻を破れるようになった気がします。タフになっていきましたね。大学の映画の授業はネイティブの英語だったので聞き取りに苦労しました。周りの学生が咳ばらいをするのも腹が立つくらい真剣でしたね(笑)」