本書では各章のタイトルが曲名になっているうえに、冒頭に歌詞が書かれている。その章を読み終えて、もう一度冒頭を見ると、加藤さんが歌詞に込めた思いや、外国曲のゆかりの地を訪れた際に見たものがどのように反映されているのかが、再度味わえる。
「歌手として思うことは、誰がどこで私の歌を聴いて、さらに何を感じたかは確かめきれないこと。歌はいったん旅立ったら、私と離れた旅をしていく。それが歌と歌い手の約束なんです。そのかわりに歌は自由ですし、人間のように立場や国境などに縛られたりしない。無限の可能性があるんです」