胸キュン☆コバルト豆知識。
活字好き少女ならきっと通ったはず、恋も友情もコバルトが教えてくれました。好きだった登場人物は誰ですか?
撮影・角田菜摘
胸キュン☆コバルト豆知識
《1》思い切った口語文体を流行させたのは新井素子。
今ではよく見かける、女の子の一人称語りで展開される文体。ブームのきっかけは新井素子だった。現在も多くの小説に影響を与えている。
「俺、大人になったら、宇宙へ行くんだぜ」
お兄ちゃんが言った。
「銀河系の外から銀河系全体を眺めてやるんだ」
「あたしも行く! 絶対行く!」
「お前があ?」
(新井素子『星へ行く船』)
《2》「四天王」のひとり、氷室冴子の最大ヒット作は787万部!
コバルト文庫の雄、氷室冴子の最大のヒット作は『なんて素敵にジャパネスク』シリーズ。平安時代の姫・瑠璃姫が主人公のラブコメディ。
「瑠璃や、ほら、ごらん。いま、笛を演奏しているのが中務卿宮の第三子、権少将であられる。当年とって十九歳、今上帝のおぼえもめでたい前途有望な公達だぞ」
「ふーん」
脇息に寄りかかって半分眠っていたあたしは、あくびをしながらつぶやいた。
(氷室冴子『なんて素敵にジャパネスク』)
《3》現在活躍している作家の多くが、かつてコバルト出身であった。
コバルトに著書のある作家としては以下の名前が挙げられる。佐藤愛子・赤川次郎・岩井志麻子・唯川恵・山本文緒・須賀しのぶ。豪華!
『クロワッサン』979号より
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