くらし

料理研究家と調理道具通が探る、本当に優秀なキッチンバサミ。

  • 撮影・三東サイ 文・河野友紀

本当に優秀なハサミって? あれもこれも徹底的に切ってみました。

意外と水分の出る パプリカもサクサク。まな板に色が移りやすい赤いパプリカもハサミでカット。
長ネギを汁物や鍋に 足したいときに大活躍。小口切りはもちろん、少し長めの斜め切りもザクザク。
小松菜の茎も葉も、 束でまとめてカット。汁の出やすい青菜も大きめの刃でざっくりと。
豚肉の筋切りは、 尖った先端が大活躍。少し開いた状態で先端を刺して繊維を切れば、筋切り完了。
刃を横に進めれば、 鯵のゼイゴを取ることも。鯵サイズなら頭も落とせるので、ハサミでおろすことも可能。
脂たっぷり厚みのある ブリも、滑らず切れる。揚げ物を作るときなど、トレイの上で切れば洗い物不要。
少量の千切りなら ハサミで手早くカット。大きめの葉も折りたためば、サクサク細く切れる。
鶏もも肉も、脂分の除去から 一口大のカットまで。臭みの元になる脂もピンポイントで切れ、滑りやすい皮も楽々。
ハンドル上部の突起は、 缶の蓋開けのサポート役。缶と蓋の間のわずかな隙間に突起が入り、スパッと開封。
葉野菜の硬い根もとに 十字の切り目を。火の通りを早めるために入れる切り目はハサミの先端で。

島本 あ、こちらはハサミが少し重めですが安定感があって、肉が逃げずにしっかり切れますね。

飯田 これは先端に細かいギザギザのような〝マイクロエッジング加工〟が施されているハサミです。ギザギザが肉をしっかり捉えるので、滑らずに切れるんですね。「長切れ」タイプは歯が鈍角で厚いので、このように刃にギザギザが入っているものが多いです。先に使ったものは刃が鋭角でツルツルの、いわゆる「早切れ」タイプになりますね。

島本 時短をめざしていろいろなものを切ろうと思ったら、刃にギザギザが入っている長切れタイプがいいんですね。

「実はハサミの切れ味が鈍くなる一番の理由は、引き出しの中で他の金属製品とぶつかること。だから吊るす収納がベスト」(飯田)

後編では、おすすめキッチンバサミをご紹介!

飯田結太(いいだ・ゆうた)●合羽橋「飯田屋」6代目社長。仕入れる商品は必ず自ら使ってから、がポリシー。テレビや雑誌などで調理道具の目利きとしても活躍。

島本美由紀(しまもと・みゆき)●料理研究家、ラク家事アドバイザー。著書に『おもわず自慢したくなる料理のラクワザ333』(河出書房新社)などが。

『クロワッサン』969号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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