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これからの人生をもっと楽しく! 希望をかなえる間取りの考え方。

リフォームに対する漠然とした望みを現実のものにする。その考え方のヒントを漫画家の西家ヒバリさんと建築士の橋垣史子さんの対話から探ります。

撮影・岩本慶三 文・斎藤理子

リフォームで大切なのは、コミュニケーションがとれること。

橋垣 マンションは、広さが限られている割に、廊下が無駄なスペースになっていることが多いんです。それを生かすことを提案する場合があります。下のリフォーム例3とリフォーム例4なんかはそれですね。
西家 リフォーム例3は水回りの移動だけではなくて、洋室を1部屋なくしてますね。あ、和室もなくしてリビングダイニングを広くしている!
橋垣 どこに移動するにもドアを開けないと行けなかったので、ドアを引き戸にして、リビングダイニング、キッチンをぐるぐる回れるようにしたんです。そうすると廊下もいらないから広く使えるようになりました。
西家 橋垣さんは、いつも無垢板を使われるんですか?
橋垣 天然の素材にはこだわっています。有害な物質が出ない、小さな子どもが舐めても大丈夫なものですね。安心や安全はもちろんですが、自然のものは時間を経ると色や味わいが深まり、美しくなっていくのが好きです。
西家 リフォームしたかったら、まず建築士さんを探さないと、ですね。
橋垣 規模にもよりますよ。ちょっとしたパーツを変えるだけなら、工務店さんなどでも大丈夫ですし。コミュニケーションがとれることが一番です。
西家 うちはとりあえず、息子が布団でちゃんと寝る工夫からかなぁ(笑)。

【リフォーム例 3】スペースの無駄が多い廊下を、部屋として認識する考え方。

(左)After(右)Before。部屋の区切りをなくすことで開放感が溢れる家に。掃き出し窓の前にベンチを作り、居心地のいいスペースを生み出した。
(左)After(右)Before。部屋の区切りをなくすことで開放感が溢れる家に。掃き出し窓の前にベンチを作り、居心地のいいスペースを生み出した。

風通しが悪く、使いにくかった間取りの、築17年のマンションの全面改装。リビングダイニングとキッチンの動線をよくするため、廊下をなくしてドアを引き戸に。リビングの一角にある畳コーナーの下は収納になっている。

窓のある浴室にするために浴室と洗面所を移動。玄関へのアクセスがどこにいても楽になった。
窓のある浴室にするために浴室と洗面所を移動。玄関へのアクセスがどこにいても楽になった。

【リフォーム例 4】マンションでもできる、自然素材を取り入れた改修。

(左)After(右)Before。細長い廊下が続き狭くて暗かった改修前。廊下のスペースも含めることで大きなLDKを確保。テーブルや本棚もすべて自然素材のもの。
(左)After(右)Before。細長い廊下が続き狭くて暗かった改修前。廊下のスペースも含めることで大きなLDKを確保。テーブルや本棚もすべて自然素材のもの。

築19年のマンションを猫との暮らしに合った使いやすい家にリフォーム。床や家具には国産の杉、壁には漆喰など、マンションでもできるかぎり自然素材を使用。床は二重床にして、遮音対策も充分に。床暖房も導入した。

リビングダイニングに隣接した洋室の壁を取り1部屋に。そこにキッチンを移動し、対面にした。
リビングダイニングに隣接した洋室の壁を取り1部屋に。そこにキッチンを移動し、対面にした。

西家ヒバリ(さいけ・ひばり)●漫画家。漫画、小説、エッセイなど幅広いジャンルで活躍中。大学生の娘と高校生の息子、夫のしりあがり寿さんの4人家族。

橋垣史子(はしがき・ふみこ)●一級建築士。「いろは設計室」代表。無垢の木や土、紙などの自然素材を生かし、日本の風土に合う住まい作りを手がけている。

『クロワッサン』961号より

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