口あたり優しく手になじむ。漆の器の使い方をスタイリスト・高橋みどりさんに聞く。【後編】
どうも高級そうで扱いにくい。そう敬遠されがちな漆の器ですが、熱いものを入れても持ちやすく、軽く、機能的。漆とうまく、気軽につきあうコツをスタイリストの高橋みどりさんに聞きました。
撮影・合田昌弘 スタイリング・高橋みどり
毎日の漆の手入れは、こんなふうです。
手入れが面倒なのでは?と漆を敬遠する向きも多いかもしれないが、「特別なことはなにもありません」と高橋さん。要は「漆を傷つけない」ことが肝心で、洗うときは研磨面のない柔らかなスポンジを使用し、あとはしっかり乾かすこと。万が一落として欠けたとしても、購入先の店や作り手に相談して修理に出せば、ほとんどの場合、元どおりになって戻ってくる。うまくいくと、何十年もつきあえるのが漆の器の魅力のひとつなのだ。
1. 普段は必要ないが、油っぽいときだけ薄めた中性洗剤を使って洗う。
2. 流水でよく洗い流すこと。冬はぬるま湯くらいがおすすめ。
3. 柔らかい布でよく拭く。高台の隅など水気を残さないよう注意。
4. ひと晩、外に出しておいて乾かす。下に箸など噛ませるとなおよし。
※紹介する器は高橋さんの私物です。在庫とはサイズが異なる場合があります。
高橋みどり●スタイリスト。スタイリングを通じておいしさを読者に伝えてくれる高橋さん。器関係の著書は、『毎日つかう漆のうつわ』(共著/新潮社)、『わたしの器 あなたの器』(KADOKAWA)。近刊『ありがとう! 料理上手のともだちレシピ』(マガジンハウス)も好評発売中。
『クロワッサン』959号より
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