鶴岡から庄内町、酒田市、遊佐町へ。きらきら羽越観光圏の旅<2>
文・斎藤理子
鶴岡から酒田へ。
酒田のシンボル山居倉庫を訪ねて。
さて、鶴岡からふたたび羽越本線に乗り、酒田に足をのばしてみました。最上川の河口に開かれた街酒田は、江戸時代には北前船交易によって大いに栄えた湊町です。北前船によってもたらされた上方文化の影響で、華やかな湊町文化が発達しました、その面影が残る風情のある街並はそぞろ歩きにぴったり。必見は、今も現役の農業倉庫として使用されている「山居倉庫」です。
米の保管倉庫として1893年(明治26年)に建造された山居倉庫は、土蔵造りの12棟。巨木のケヤキ並木に囲まれ、倉庫とは思えない美しい姿を残しています。ケヤキ並木は、日よけと風よけの役目を果たし、自然による低温管理がされていました。断熱を考慮した二重構造の屋根や湿気防止のため、にがりを練り固めた土間など、米の品質を守るために、建物にも驚きの知恵と技術が駆使されていた様子がうかがえます。庄内米資料館や酒田市観光物産館なども併設され、観光の拠点としても便利なスポットになっています。
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