『気ままに楽しく! 大人の女ひとり旅』門賀美央子 著── 一人旅派も初心者も楽しめるエッセイ集
文字から栄養。ライター・瀧井朝世さんの、よりすぐり読書日記。
文・瀧井朝世
私は基本的に、旅は一人派である。なので一人旅のノウハウ本はもう必要ないのだが、このノウハウ・エッセイ集は楽しかった。著者が実体験や各地の魅力など具体例をまじえて語ってくれている。
「はじめに」に、本書はひとり旅初心者に向けた本であると同時に、〈ひとり旅好きの同志に向けて「私はこんな感じでやっていますが、あなたはいかが?」と尋ねてみたくて書いたものでもあります〉とある。まさに私は「へえ、そこに行ってみたいな」「あ、私も似た経験がある!」と、心であいづちを打ちまくった。お得な情報など、はじめて知ることも多かった。今度やってみます。
歳を重ねるごとに、自分が完全にコントロールできる一人旅のほうがラクだと感じるようになった。トラブルの際も誰かがいれば心強いとは限らない。前に海外で予約していた列車が突如運休になり、駅員に言われて乗った列車が間違った行き先だった時、車掌に泣きつきながら心底思ったのは、「一人でよかった!」だった。もし連れがいて不機嫌になられてたら……と思ったのだ。トラブルさえ一緒に楽しめる旅仲間がいればいいが、一人で乗り越えた時の達成感も格別だ。やはり私は一人がいいな。
『クロワッサン』1166号より
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