滞在2日間で味わい尽くす香港グルメ7選。ローカル飲茶からミシュランスイーツまで“おいしい時間”をめぐる旅
地元の人で賑わうローカル飲茶やミシュラン常連の名店、限定スイーツまで短い滞在のなかで出合った、香港の“おいしい瞬間”をお届けします。
写真・文 久保田千晴
1.麥奀雲吞麵世家(Mak’s Noodle)
香港の定番といえば「ワンタン麺」。中でも香港全土に多数展開する老舗『麥奀雲吞麵世家(Mak’s Noodle)』は外せません。麺は極細でぷつぷつと歯切れよく弾けるような食感が特徴。スープには干しエビの旨味がしっかり染み出しており、一口すすれば滋味深いエビの風味で満たされます。
麺の下に隠れている海老ワンタンは、噛むと弾けるようなぷりっぷりの弾力が唯一無二。香港に着いたら真っ先に足を運びたくなるお店です。
2.甘牌燒鵝(Kam’s Roast Goose)
香港に来たらぜひ味わいたい広東式ローストの代表格が、湾仔エリアにある『甘牌燒鵝(Kam’s Roast Goose)』。2014年のオープンからわずか数ヶ月でミシュラン1つ星を獲得し、一躍行列店となったお店です。
丸ごと炭火でじっくり焼き上げた燒鵝は黄金色に輝き、余分な脂が落ちた皮は極上のパリパリ食感。それでいて中の身は驚くほどしっとり、噛めば肉汁と共に旨みがじゅわりと溢れ出ます。さらに特製のプラムソースを絡めると、コク深い旨味に甘酸っぱさが重なって、その完璧なバランスに思わず唸るはず。
ランチタイムには1時間待ちの行列ができることもありますが、並んででも食べたいと思わせる至福の一皿です。
3.蓮香樓(Lin Heung Tea House)
香港島の中環(セントラル)エリアにある創業100年近い老舗茶楼『蓮香樓(Lin Heung Tea House)』では、昔ながらの本格飲茶が体験できます。席に着いたら伝票を持って、店中央のワゴンまで好きな点心を取りに行くセルフスタイル。人気のものはすぐに売り切れてしまうため、気になったら躊躇せず「これ!」と指差しで伝えましょう。
臭みを全く感じないぷるぷる食感の「牛肚(ハチノス)」の蒸し物や、薄皮でもちもちのエビ蒸し餃子など、どれも丁寧に作り込まれたお料理ばかり。
飛び交う広東語やカチャカチャと響く茶器の音をBGMに、香港飲茶を五感で楽しんでみて。
4. 佳佳甜品(Kai Kai Dessert)
佐敦エリアの『佳佳甜品(Kai Kai Dessert)』は、連続してミシュラン・ビブグルマンに選ばれている老舗甘味処。ここでは胡麻や杏仁、クルミなどを使った伝統的な甜品(スイーツ)が楽しめます。
中でもおすすめは胡桃白玉湯(くるみ汁粉+白玉)。すり潰したクルミを長時間かけて煮出すことでナッツ本来の甘みに深みと香ばしさを引き出した胡桃スープは、濃厚でコク深い味わい。トッピングの白玉団子は、唯一無二のつるふわ食感がたまりません。さらに団子の中にはたっぷりと黒ごま餡が詰まっている嬉しいサプライズも! 重さを感じずいくらでも食べられる香港スイーツです。
5.妹記生滾粥品(Mui Kee Congee)
古き良き香港の雰囲気を残す旺角エリアで、朝食にぜひ試してほしいのが、『妹記生滾粥品(Mui Kee Congee)』のお粥。地元の人に長年愛される看板メニュー鮮魚片粥(白身魚のお粥)は、朝獲れの新鮮な川魚を使っているため生臭さがまったくありません。お粥は魚のダシで6時間以上煮込まれており、米粒の形がほとんど溶けたとろとろのテクスチャー。塩胡椒など足さずとも十分ダシが効いていて、滋味深い味わいです。
「炸油條(ヤウティウ)」というカリカリの揚げパンをお粥に浸して食べるのが香港流。お粥自体の塩気と油條の香ばしい塩味が相まって、やみつきになるはずです。
6.華姐清湯腩(Sister Wah)
天后エリアの『華姐清湯腩(Sister Wah)』は、リーズナブルに絶品の牛バラ麺が味わえると評判のお店。
一番人気の「清湯牛腩麵(牛バラ麺)」は、透き通ったスープに柔らかく煮込まれた牛バラ肉がたっぷり入った一杯。新鮮な地元産牛肉を10種以上の漢方ハーブとともに煮込んだ清湯スープは、見た目以上にコク深い味わい。ホロホロになるまで煮込まれた牛バラ肉は歯がいらないほど柔らかく、スープとの相性もぴったりです。
卓上にある自家製の辣椒油を加えれば、がらりと雰囲気を変えパンチのある味わいに。少しの量でも刺激が強いので、辛さが苦手な人はご注意を。
7.Bakehouse
香港スイーツの定番エッグタルトを現代風に進化させ、大ブームを巻き起こしているのが『Bakehouse』。一般的な香港式(クッキー生地)ともマカオ式(パイ生地)とも違い、天然酵母を使ったクロワッサン生地で作られているのが最大の特徴です。幾重にも重なった薄い層が砕け散る軽快な食感のタルトの中には、濃厚なカスタードフィリングがたっぷり。焼き目がついた表面はほろ苦いカラメルの風味があり、甘すぎずペロリと食べられてしまいます。
焼きたてはもちろん、冷めてもチーズケーキのような食感で美味しいので、まとめ買いするのがおすすめですよ。
番外編:The Mandarin Cake Shop(マンダリンオリエンタル香港)
番外編としてご紹介するのが、マカオ生まれの伝説的エッグタルト『Lord Stow’s Bakery(ローズドトウズ)』。そしてこれを唯一香港で買える穴場スポットが、中環エリアにある5つ星ホテル「マンダリンオリエンタル香港」のペストリーショップ『The Mandarin Cake Shop』です。
ポルトガル伝来のマカオ式エッグタルトは、サクサクのパイ生地ととろけるカスタードクリームのコントラストが絶妙。『Bakehouse』のものに比べると、よりクリームが濃厚でコク深く、卵の風味が際立つ印象です。この“元祖の味”を香港で楽しめるのはここだけ。旅の締めくくりに、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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