向井 理さんが語る『パリピ孔明』、下積み時代から俳優活動20年目を迎えて
撮影・山本康典 スタイリング・外山由香里 ヘア&メイク・中村了太 文・田辺 香
「『パリピ孔明』という作品の設定はそもそもカオスなんです。渋江修平監督の演出意図は僕の想像を超越していて。ただ映像の仕上がりが素晴らしいので、ドラマの時から監督の指示どおりに演じました」
’23年秋の連続ドラマ『パリピ孔明』で向井理さんは中国「三国志」の天才軍師・諸葛孔明を演じた。着物に頭巾姿の孔明が現代の渋谷に転生。ライブハウスで働きながら夢を追うシンガー・英子の歌声に心を動かされ、得意の政治的戦略を武器にプロの歌手に育て上げる。映画化にあたり物語は進化し、音楽フェス映画に。英子を含め総勢50名以上のアーティストが参加した。
向井さんは2006年に俳優デビュー。4年目に出演した朝ドラ『ゲゲゲの女房』の、黒縁メガネで作品に没頭する水木しげる役が当時全国を魅了した。今年で俳優活動20年目。
「充実していました。下積み時代がそれなりにあったし、年に10日しか休みがない時もありました。何本か作品をかけもち、7、8冊の台本を鞄に入れて現場の空き時間に読みました。その頃にセリフを覚える体力がついたし、確実に今の自分に生きています。舞台に呼ばれるようになってやっと芝居というものが何かを理解できた気がします」
撮影のため窓辺に佇む向井さんの長身細身のシルエットは、青年時代のまま。
「お金をスマートに使える男はかっこいいなと。質のいいものを選んで長く使う、食事に誘った後輩にごちそうするとか。とにかく余裕のある人が理想です」
獣医を目指したほどの動物好き。
「初めて育てたのは僕が拾ってきた子猫でした。動物との距離感や関係性は人それぞれだと思いますが、乾きがちな心のコップに何かを満たしてくれるような存在かなと思います。今はやんちゃ盛りの息子二人が家にいるから余裕がないけど、またいつか迎えたいです」
『クロワッサン』1140号より
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