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【組香】京都で伝統文化にふれる特別な体験

千年の都で生まれ、人々の美意識に育まれ継承されてきたさまざまな伝統工芸や芸道。縁遠いと思っていた職人の技も、実際に手を動かして五感で楽しむことでぐっと身近に感じられる。深遠な日本文化の一端に触れ、京都滞在をさらに特別なものにしてくれるプログラムをご案内します。

撮影・西岡 潔 文・本庄 彩

【組香】古の都人を魅了した知的な香遊び。

飛鳥時代から伝えられる香りの芸術・香道。平安貴族の間では、和歌や香をたしなむことが教養の一つとされた。戦国時代には手前作法が体系化され、江戸時代に最盛期へ。徳川家康も大いに香木を好んだという。香りを聞く=鑑賞する「聞香(もんこう)」を基本に、数種類の香りを聞き分ける遊びが「組香(くみこう)」。

炭団(たどん)を埋めて灰を整えた香炉に銀葉(ぎんよう)(雲母でできた薄い板)を置き、一片の香木をのせると幽玄な香りがふわりと立ちのぼる。
炭団(たどん)を埋めて灰を整えた香炉に銀葉(ぎんよう)(雲母でできた薄い板)を置き、一片の香木をのせると幽玄な香りがふわりと立ちのぼる。
香炉を左手にのせ、右手で覆って隙間から静かに香りを聞く。息を吐く時は顔を軽く左に向けて、これを3回繰り返す。
香炉を左手にのせ、右手で覆って隙間から静かに香りを聞く。息を吐く時は顔を軽く左に向けて、これを3回繰り返す。

古典文学を題材に構成される知的で典雅なゲームを、皇室や香道とゆかりの深い泉涌寺で楽しめる。同寺を本山とする流派「泉山御流(せんざんごりゅう)」が、通常非公開の広間を貸し切っての組香体験。今回のお題は「雪月花」。

香木の中でも特に希少性の高い、東南アジア産の「沈香(じんこう)」を使用。非常に高価な香木を、少量で分かち合えるように工夫したのが香道の始まりという説も。
香木の中でも特に希少性の高い、東南アジア産の「沈香(じんこう)」を使用。非常に高価な香木を、少量で分かち合えるように工夫したのが香道の始まりという説も。

手前を行う「香元(こうもと)」が一つずつ名前をつけた3種の香木を炷(た)き、その後回される香りが、3種のどれと同一かをあてるものだ。たとえ正解に至らなくても、感覚を研ぎ澄ませて香りを聞く時間は、心を豊かに満たしてくれる。

【組香】京都で伝統文化にふれる特別な体験

この日は漢詩にちなみ「雪」「月」「花」、3つの香りが登場。各々が答えを紙に記入し提出する。

【組香】京都で伝統文化にふれる特別な体験

「執筆」と呼ばれる記録係が答えを書き写す。正解発表後、完成した記録は正解者の一人に贈られる。

【組香】京都で伝統文化にふれる特別な体験

「香元」が使用する香道具の数々。香りの妨げになる生花の代わりに、香袋の紐で季節の花などを表現。

【組香】京都で伝統文化にふれる特別な体験

皇室の菩提寺であり、数多くの御陵を擁する泉涌寺。歴代の天皇が所持した香木や香道具なども遺る。

東福寺|泉涌寺(せんにゅうじ)

◆京都市東山区泉涌寺山内町27 
TEL.075・561・1551 

「泉山御流 香道 組香体験」1人7,000円 
時間は電話にて応相談。

京都駅からタクシーで約10分。

『クロワッサン』1137号より

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