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【京唐紙】京都で伝統文化にふれる特別な体験

千年の都で生まれ、人々の美意識に育まれ継承されてきたさまざまな伝統工芸や芸道。縁遠いと思っていた職人の技も、実際に手を動かして五感で楽しむことでぐっと身近に感じられる。深遠な日本文化の一端に触れ、京都滞在をさらに特別なものにしてくれるプログラムをご案内します。

撮影・西岡 潔 文・本庄 彩

【京唐紙】光を受けて静かにきらめく伝統文様。

和紙に木版で雅やかな文様をうつし出した唐紙(からかみ)は、その名のとおり奈良時代に唐からもたらされた装飾紙がルーツ。

雲母または胡粉(貝殻の粉末)、顔料に定着剤となる布海苔を調合して絵の具を作る。唐紙独特の道具・篩(ふるい)に刷毛で絵の具を塗り、版木にポンポンと当てて色をのせていく。
雲母または胡粉(貝殻の粉末)、顔料に定着剤となる布海苔を調合して絵の具を作る。唐紙独特の道具・篩(ふるい)に刷毛で絵の具を塗り、版木にポンポンと当てて色をのせていく。
版木の上に紙を置き、二度摺りして美しい文様をうつし取る。版木は御朱印帳に向いた3種の月替わりを用意。この日は「葡萄唐草」と「小瓢箪」で製作。
版木の上に紙を置き、二度摺りして美しい文様をうつし取る。版木は御朱印帳に向いた3種の月替わりを用意。この日は「葡萄唐草」と「小瓢箪」で製作。

平安時代、文様を施した料紙(りょうし)に和歌や文をしたためるのが貴族の間で流行し、時代とともに襖などの室内装飾にも唐紙の技法が使われるようになった。

加飾を凝らした江戸唐紙に対して、茶方(ちゃかた)好みの桐や松葉の文様、公家好みの「有職文様(ゆうそくもんよう)」といった格調高い意匠を木版のみで表現するのが京唐紙の持ち味だ。雲母(きら)(鉱物の粉末)などを使った絵の具の、穏やかな輝きも魅力。

風合い豊かな越前 「鳥の子紙」。約30色揃う中から好みの色を選ぶのは楽しくも悩ましい。
風合い豊かな越前 「鳥の子紙」。約30色揃う中から好みの色を選ぶのは楽しくも悩ましい。
唐紙をカットして台紙に貼り込み、蛇腹式の本体を合わせたら御朱印帳の完成。どの文様もトリミング位置で印象ががらりと変わるのが面白い。
唐紙をカットして台紙に貼り込み、蛇腹式の本体を合わせたら御朱印帳の完成。どの文様もトリミング位置で印象ががらりと変わるのが面白い。

版木に絵の具をのせて紙を置いたら、優しく手のひらで撫でるようにして摺り上げる。少しむらのあるふっくらとした風合いは手仕事ならでは。自分だけの御朱印帳に仕立てれば、京都での寺院めぐりがいっそう楽しくなりそうだ。

【京唐紙】京都で伝統文化にふれる特別な体験

約48×30cmの版木で、襖紙など大きな紙に連続した文様を正確に摺り上げるのはまさに職人技。

【京唐紙】京都で伝統文化にふれる特別な体験

手で摺ることから、版木の彫りは深め。古いもので約180年前の版木もあるが、驚くほどモダンな印象。

【京唐紙】京都で伝統文化にふれる特別な体験

1階はさまざまなメニューを用意する体験工房とギフトショップ、2階は職人が製作を行う唐紙工房。

四条烏丸|京からかみ体験工房 唐丸(からまる)

◆京都市下京区泉正寺町460 
TEL.075・361・1324

「御朱印帳づくり体験」6,000円 
水・日・祝を除く10時30分、14時~(所要60~90分) 
1~6名で催行。工房見学をできるコースもある。

地下鉄「四条」駅から徒歩約5分。

『クロワッサン』1137号より

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