骨を丈夫に作り替えるカルシウムレシピ「小松菜と豆腐の炒め煮」
撮影・青木和義、岩本慶三(伊藤薫子さん) スタイリング・矢口紀子 イラストレーション・大石さちよ 構成&文・堀越和幸
肌と同じように骨も日々新陳代謝!3つの栄養素に注目して骨活を
毎日、鏡で肌をチェックはするけれど、骨のことは無頓着という人は案外多い。
「肌と同じように骨も日々新陳代謝を行って生まれ変わっています」
と語るのは整形外科医の伊藤薫子さんだ。古くなった骨を“破骨細胞”が壊し、“骨芽細胞”が新しい骨に作り替える(上掲のイラスト)。このバランスがうまく取れているから私たちはいつも健康でいられるのだが……。
「女性の場合、閉経を迎える頃になると女性ホルモンの減少により、破骨細胞が増え出しそのバランスが崩れてしまうのです」
すると骨密度が落ち、骨は痩せていく。そして怖いのは、そのことに自分ではなかなか気づけないこと、と伊藤さん。
「大人世代は骨を丈夫にする食事を意識的に摂ることが大切です」
注目すべき栄養素は骨の材料となるカルシウム、カルシウムの吸収率を上げるビタミンD、そしてマグネシウムだ。
「マグネシウムは骨の弾力性を高めてくれます。体内の約6割は骨に蓄えられているため、神経や筋肉などで働くマグネシウムが不足すると骨から持ち出されることになり、骨はより脆くなってしまうのです」
「骨活」食材のレシピを参考に、骨を丈夫にしていこう。
[ 食事以外にはこんな条件も大切 ]
運動による刺激で骨は丈夫になる
伊藤さんが食事と同じくらい骨に必要なこととして挙げるのが運動だ。骨は刺激で丈夫になる。
「体に受けた衝撃でその刺激が信号となり全身を駆け巡り、骨芽細胞を活性化させます。ウォーキングや階段昇降が骨にいいといわれるのはそのためです」
骨活の運動としては“かかと落とし”も効果的。
「立った姿勢で爪先立ちをし、ストンと真下にかかとを落とします。歯磨きや家事などのながら運動でできるので、一日の合計を50回の目標で試してみてください」
適度な日光浴が骨を育ててくれる
ちょっと前に若い女性の骨粗鬆症が話題となったが、その原因は過度な日焼け対策が原因だった。
「ビタミンDは日光の紫外線を浴びることで、皮膚の基底層で作られます。なので、常に日傘に帽子、フェイスマスクにアームカバーという完全防備の人は骨が脆くなってしまうのです」
骨粗鬆症とは骨密度が70%を切った状態を指す。
「90歳になっても自分で歩ける人とそうでない人の違いのひとつは骨密度です。気になる女性はぜひ一度調べてみましょう」
『クロワッサン』1133号より
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