出雲大社とあわせて訪れたい、旅を彩るスポット。
撮影・三東サイ 文・大池明日香
そば処 田中屋
割子から、釜揚げまで、伝統の出雲そばを現代に。
丸い漆器にそばを盛った割子と、茹で汁に浸かった温かいそばを供する釜揚げ。出雲地方に伝わる伝統的なスタイルを、1972年の創業以来、石臼挽きのそば粉を使い手打ちで伝える。現在は2代目と京都でそば修業をした3代目が、旬の地元食材を使用し、新しい感覚も取り入れながら今に引き継ぐ。
●島根県出雲市大社町正門鳥居前
TEL.0853・53・2351
営業時間:11時〜16時(そばがなくなり次第終了)木曜休
オリジナルのお土産も販売。裏に分店も。
くるみ市
地元に愛される食材店で、ローカルな土産物を買う。
花農家が経営する産直ショップ。島根県産を中心に、生花はもとより、交流のある農家などから取り寄せた食材を集め、地元民に毎日通える身近なスーパーとして愛されている。
いわゆる土産店には並ばないお菓子や加工食品なども揃えていて、ローカルな味を手に取れるのもうれしい。
●島根県出雲市大津町1574・8
TEL.0853・27・9631
営業時間:9時30分〜18時(土・日曜9時〜)無休
併設のパンと焼き菓子の店は木〜日曜の12時オープン。
旭日酒造
日本酒のルーツがある出雲で、土着の自然が醸す酒を味わう。
一説に日本酒発祥の地とされる出雲で、明治2年創業。出雲市駅の商店街にあり、米本来の味を感じられるクラシカルな純米酒を伝える酒蔵。代表銘柄は〈十旭日(じゅうじあさひ)〉。酵母無添加で自然の微生物の力で醸し切る生酛(きもと)純米は、熱燗でより楽しめるしっかりとした造りが特徴。ほかに、2013年から出雲大社の御神酒(おみき)〈八千矛(やちほこ)〉を引き継ぎ守っている。
●島根県出雲市今市町662
TEL.0853・21・0039
営業時間:10時〜18時 不定休
商店街アーケードにある大きな杉玉が目印。店内では一部の銘柄の試飲も可能。
出西窯(しゅっさいがま)
出雲ならではの民藝。その土地の手仕事をお土産に。
柳宗悦を始めとする民藝運動の流れから、昭和22年、出雲で始まった〝用の美〞を体現する窯元。工房横に米蔵を移築した展示販売館『くらしの陶・無自性館(むじしょうかん)』を備え、島根県内で採取した原土で作った器を販売。現在16名が製作をする工房は見学もできる。
●島根県出雲市斐川町出西3368
TEL.0853・72・0239
営業時間:9時30分〜18時 火曜休(祝日を除く)
ベーカリーカフェなどがある「出西くらしのvillage」内。
稲佐(いなさ)の浜
出雲大社から西に1キロ。浜辺の奥に大国主大神と建御雷之男神(たけみかづちのおのかみ)が国譲りをしたとされる屏風岩があり、旧暦の10月10日、全国八百万(やおよろず)の神々を迎える神迎神事の浜となることでも知られる。岩の上には、豊玉毘古命(とよたまひこのみこと)を祀る小さな祠。岩の背後で刻々と夕日が沈み、空が模様を変えていく風景は、毎日違ってこの日も美しい。
●島根県出雲市大社町杵築北2844・73
『クロワッサン』1132号より
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