江原啓之さん「行動次第で人生は好転!運を開く」
2025年の心構えと運の拓き方を聞きます。
撮影・小川朋央 文・やしまみき
憩う場で自分を取り戻す。おしゃべりで心の整理を。
八百屋など個人経営の小売店やカフェといった地元のお店で顔なじみになると、そこが憩う場になる。具体的にはどういう意味合いがあるのだろうか。
「自分が不安なとき、落ち着きを取り戻す場所になるということです。自分自身を取り戻す場と言ってもいいでしょう。例えば急に夫が会社を辞めると言い出したら不安になりますよね。お金やこれからの人生のことなどを一人で悩んでいたら、不安が増してパニックになるだけ。まず冷静になることが先決です。そんなときこそなじみのカフェに行き、いつもの飲み物を頼んでマスターと他愛ないおしゃべりをする。相談ではなく、むしろ世間話でいい。そのほうが自分を取り戻せるし、だんだん自分の心の内が整理されていきます。関係のない会話の中でふと良いヒントが得られたり、ひらめいたり。元気な八百屋のおじさんと話しているうち、なんとかなると開き直れることもあるでしょう。人は誰かとおしゃべりしながら、実は自らに向き合ってもいるのです」
暗いニュースなど一方的な情報にあおられ不安に駆られれば、現実を見失いがちに。
「ただ恐れを抱いて不安になるのが一番よくありません。自分の頭で考えるために、まずは憩うことで落ち着きを取り戻しましょう」
もう一歩図々しくなって新しいコミュニティへ。
直接のコミュニケーションで傷ついたり、傷つけられたりするのが怖いという人も多い。
「コロナ禍で使われたソーシャルディスタンスという言葉が原因のひとつです。本当はフィジカルに距離を取るだけでよかったのにソーシャルに距離を取ってしまった。というように、言葉にはたましいが宿ります。それほど影響が大きく、使い方を間違えると怖いのです。今こそソーシャルな距離感を取り戻す必要があります。直接の会話で一方的に傷つけられることは実は少なくて、必ず何かしら得るものが会話の中にあるはずです。それにイヤな目に遭ったとしても、それで距離感がわかるということもあります。経験で得られるものは大きい。傷つくのではなく磨かれると思って果敢に挑んでみてください。少しくらい図々しくてもいいんですよ。もう一歩踏み込んで、新しいコミュニティを広げてほしいですね。そうしないと生きた実感は得られません。SNSなど匿名でつながるほうが楽だと思うかもしれませんが、顔が見えないつながりは公明正大ではないぶん問題が起きやすい。顔が見える地元で信頼感を持って“つなぐ”ことが重要です。ただし相手に依存したり、何でも自分をひけらかしたりするのはトラブルの元。入れ込みすぎないよう距離感はコントロールして」
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