風呂、トイレ、洗面・脱衣所。水回りは大胆に変える価値あり!
イラストレーション・鈴木衣津子 構成&文・中條裕子 写真提供・スタイル工房
1. 水回りを集中させる。
「50代くらいになると、子育ての頃に替えた水回りのシステムが壊れたり、老朽化したのでより住みやすくリフォームしたいという相談が多いですね」
個人宅の改修を数多く手がけてきた渡辺ノリエさんはそう実感するという。
風呂、トイレ、洗面・脱衣所は、設備機器の交換などで基本的に費用がかかる場所だが、老後と今、どう暮らしたいかを考えて、個別でなく水回り合わせてのリフォームを提案することも。
「同じ頃にキッチンにも不具合が出てきたりするので、水回り全体を一体化させるのもおすすめ。キッチンの向きを変えるなどの工夫で、家事動線がだんぜん楽になったりしますから。生活空間とつなげることで、洗面・脱衣所の温熱効果がよくなるのも利点です」
家事動線をコンパクトにして、時間も節約。
サンルームを、洗濯機を配置して簡単な家事が行えるユーティリティ空間にリフォーム(C)(D)。
そして、元は壁に付いていたキッチンカウンターをアイランドにして前に出すことで(B)、ユーティリティから洗面所(A)へ一直線に繋がるようになった。
これでキッチンから洗濯機のある家事室へ、また洗面所へもアクセスがしやすくなり、洗面所とバスルームの位置は変わらずとも家事動線がぐんと楽に。
戸建て、費用約450万〜500万円、工期約3〜6週間。
キッチンの向きを変え、そのまま洗面脱衣所へ。
独立していたキッチンを、リビングダイニングに組み込んで配置を変え、本棚を並べた通路(B)から洗面・脱衣所(A)へ入れるようにつなげた。
以前はキッチンから直接行けず、リビングを経て廊下から洗面所へ入っていた。その間に扉が2つあったが、引き戸を開けておけば洗面台横の洗濯機へも直行できるように。マンション、費用450万〜500万円、工期3〜6週間。
洗面台を外に出しつつ、ゆるく空間をつなぐ。
以前、洗面所と風呂、トイレは、キッチンと隔てられていた。それをキッチンの向きを変え(A)、ランドリーとバスルーム(B)と一直線に。洗面台(C)は脱衣所から離して外に出しているので、玄関からもキッチンからもアクセスできるように。
キッチン、脱衣所、洗面所は引き戸を開けると、つながった空間にもなる。マンション、費用約350万〜450万円、工期3〜5週間。
配置を換えたキッチンを洗面・脱衣所と一体化。
元は変則的な間取りだったが、キッチンの配置を換えてダイニングとともにリビングの中に組み込み(A)、そのまま引き戸で洗面・脱衣所(B)へとつなげた。ここからバスルームへ入れるので温熱対策にも。独立した場所にあるトイレの脇にもう1つ小さな洗面台を設置して(C)、手洗いだけできるようにしている。
マンション、費用350万〜450万円、工期3〜5週間。
2.風呂、脱衣所、トイレをゆるく一体化。
洗面・脱衣所とバスルームは隣接してつながっているけれど、トイレは独立して廊下の扉から入る。そんな造りが以前は一般的だったけれど……。
「今は将来のバリアフリーのことを考えて、洗面所から引き戸でトイレに入れる間取りを提案しています。脱衣所とバスルームをつなげてこちらも引き戸にすると、家族がシャワーを浴びていてもトイレには影響しません」
また、トイレはタンクレスに替えることで便器回りがコンパクト化し、スペースを有効活用することもできる。
「水回りの設備機器そのものが進化してきているので、それを替えるだけでも使い勝手は変わります。その機会にせっかく水回りを直すなら、位置を見直してみるというのも重要です」
トイレの扉の向きを変えてひと続きに。
二世帯住居にする際、共用の洗面・脱衣所(B)と浴室(A)は個別に使えるよう、かつ個室からもアクセスしやすいバリアフリーに。トイレの扉の向きを変え、引き戸でゆるくつなげた。
戸建て、費用約350万〜450万円、工期3〜5週間。
洗面台を中心にして、脱衣所と風呂を引き戸で。
こちらも洗面台(B)を中心にして、右手にバスルーム(A)、左手にトイレを配置。
洗面台は『スタイル工房』のオリジナル。洗面台下をオープンにする仕様が増えているのも最近の傾向。戸建て、費用250万〜400万円、工期3〜4週間。
3.進化した最新の設備機器。
丁寧に使っていると20年くらい経ってしまう水回りの設備機器。けれど、入れた当時と比べるとその機能やデザインの多彩さは、まさに隔世の感あり。
たとえば、広さの限られるトイレ。便器は今やタンクレスが主流だ。ゆとりができた空間にカウンター式の手洗器を設置すれば収納が増え、手すり代わりにもなってくれる。
バスルームも、床暖房と天井の暖房換気乾燥機からの温風であっという間に快適な温度に。将来を楽に助けてくれる、ゆくゆくあったらいいなという機能がしっかり付いているのだ。
かつ、今の自分を助けてくれるのが、お掃除を楽にしてくれる工夫。トイレもバスルームも洗面所も、早く見直せばよかった!という声が多数というのもうなずける。
[TOTO]汚れにくく掃除しやすい…便利にきれいに進化。
[バスルーム]床も浴槽もボタン一つで 自動で洗浄してくれる!
浴室の悩みといえば水垢やカビ掃除の大変さ。そこから解放してくれるのが、こちらの最新機能。ボタン一つで除菌水を含んだ水が自動で床掃除してくれ、簡単にきれいが続く。オプションで浴槽も自動洗浄に。
[トイレ]端正なデザインにきれいを保つ機能が満載の最新型。
掃除しやすさをより追求した最新シリーズは、凹凸や隙間を抑えた掃除しやすいデザインに。便器は素材も汚れがつきにくく落としやすい陶器製。使うたびに自動で便座裏まで漂白、除菌してくれるお助け機能も付いている。
[洗面台]収納も大幅アップしてお手入れも楽ちんに。
こちらの収納量が増えた引き出し型のキャビネットは、奥まで一目で見渡せて出し入れも簡単。鏡裏にもしっかり収納スペースが。掃除面でも、高い位置の水栓で根元に水が溜まらず、しかもタッチレスで衛生的。
TOTO TEL.0120・03・1010 https://jp.toto.com
[パナソニック]必要なものを必要なだけ、デザインも重視。
[バスルーム]優秀な機能はもちろん、空間になじむ革新的手すり。
機能を集約して、すっきりとした空間を実現。かつ、いざという時には手すりとして活躍してくれるスタイリッシュなレザー調の壁面収納や、浴室に入る一歩目から温かさを感じる床暖房など、将来に備えた機能が付いている。
[トイレ]独自素材が掃除しやすさを約束してきれいを持続。
シンプルなタイプでも機能はしっかり。便器は水垢が付きにくく割れやキズに強い有機ガラス系の素材で、便座との継ぎ目がない設計。2種の泡とパワフルな水流で、流すたびにしっかり掃除ができる。
[洗面台]すっきりとシンプルに、と使いやすさが実現。
鏡裏の収納で充分という人に。洗面台下に収納を作らないシンプルなデザインで、床面の掃除もしやすいのが利点。水栓は有機ガラス系素材で水アカが付きにくく、汚れがさっと拭き取れるのもうれしい。
※金額はあくまで目安となります。※全てキッチンを含まない費用・工期です。
※金額や工期は、家の状態、条件によって変動します。
『クロワッサン』1112号より
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