くらし

絶品!ひき肉スープの作り方と3つの展開レシピ【今井亮さんのレシピ】

短い時間で最高の旨味が出るひき肉スープ。
出汁だけをとる、そのまま煮込む。それぞれの絶品レシピを紹介します。
  • 撮影・黒川ひろみ スタイリング・矢口紀子 構成&文・堀越和幸

ひき肉+水。これだけでとびきり美味しいスープができる、って本当?

「本当です。中国では鶏ひき肉で出汁をとるスープを“清湯(ちんたん)”と呼び、日本でいう鰹やいりこ出汁のようにとても有名な存在です」(料理家・今井亮さん)

鶏むねひき肉と水を入れた鍋を煮出すこと30分。キッチンペーパーで濾した黄金色の液体は、それだけ味見しても豊かな風味が鼻に抜けて、さらにひとつまみの塩を落とせば、たちまち鶏スープの輪郭が舌に立ち上がってくる。

「これに一緒に加わる野菜の旨味が相まって、極上のスープが作れます」

基本の鶏スープ(下写真)を仕込んだら、どれも20分足らずで完成するレシピの提案、さっそく試してみよう!

基本の鶏スープ

鶏むねひき肉の黄金スープ

(水から煮出してエキスを濾す、旨味たっぷり、基本のスープ。)

鶏ももでもよいが、むねひき肉を使うと旨味が強く、スープがよりクリアになる。多めに作ったらフリーザーバッグで冷凍保存しておくと便利。

【材料(作りやすい分量)】
鶏むねひき肉 300g
生姜の薄切り 2枚
酒 大さじ1
水 1.2L

【作り方】
1.鍋にすべての材料を入れてよく混ぜ、中火にかけてヘラで底から混ぜながら加熱する。
2.沸いてきたら弱火にし、アクを除きながら30分煮て、ザルにキッチンペーパーを敷き、静かに濾す。

ひき肉は鍋底にくっつくので、火が通るまでかき混ぜ続ける。
白く浮き上がってきたらもう大丈夫。アクを取りつつ30分煮込む。
ザルにキッチンペーパーを敷いて、煮出したスープを器に漉す。

濾したひき肉は豆腐そぼろに!

濾した後のひき肉は豆腐と一緒に味付けすれば、こんな始末料理に。

【材料(作りやすい分量)】
スープをとったひき肉 150g
絹豆腐 200g
長ねぎのみじん切り 1/4本分
A[水 1カップ、醤油 大さじ3、みりん 大さじ2、砂糖 大さじ2、酒 大さじ1]

【作り方】
1.豆腐は細かめに潰す。
2.フライパンに材料をすべて入れ、中火にかけて煮立て、汁気がなくなるまで炒り煮にする。

トマト卵スープ

ゆるいとろみの卵スープに、トマトの酸味と旨味をプラス。お店の味のような出来栄え、と思えるのはやはり出汁効果。

【材料(2~3人分)】
トマト 1個
卵 2個
万能ねぎ 1/4束
基本の鶏スープ 1と1/2カップ
酒 小さじ2
塩 小さじ1/3
白 こしょう少々
片栗粉 大さじ1(同量の水で溶く)

【作り方】
1.トマトは2cm角に切る。卵は溶く。万能ねぎは3cm幅に切る。
2.鍋に鶏スープ、酒、塩を入れて中火にかけ、沸いたらトマトを加えて1分煮る。
3.水溶き片栗粉でとろみをつけたら卵を回し入れ、火が通ったら万能ねぎ、こしょうを加えてひと混ぜする。

焼き舞茸と長ねぎのスパイススープ

舞茸、長ねぎは焼き目がつくくらいに加熱して、その香ばしさをスープの風味に。カレー粉はほんの隠し味程度が秘訣です。

【材料(2~3人分)】
舞茸 2パック
長ねぎ 1本
サラダ油 大さじ1
基本の鶏スープ 1と1/2カップ
醤油 小さじ1/2
塩 小さじ1/3
カレー粉 少々

【作り方】
1.舞茸は大きめに手で割く、長ねぎは斜め1cm幅に切る。
2.フライパンにサラダ油を強めの中火で熱し、舞茸、長ねぎを入れて焼き色をしっかりつけ、カレー粉を加えてさっと炒める。
3.鶏スープ、醤油、塩を加えてひと煮立ちさせる。

大根と蓮根の塩スープ

見目も麗しい塩スープ。蓮根は長めに加熱して甘さを引き出して。仕上げのごま油は香りを引き立てるため別がけにする。

【材料(2~3人分)】
大根 150g
蓮根 150g
生姜のすりおろし 1かけ分
ごま油 小さじ1
基本の鶏スープ 1と1/2カップ
酒 小さじ2
塩 小さじ1/3

【作り方】
1.大根、蓮根は皮をむいて細めの乱切りにし、洗って水気をきる。
2.鍋に鶏スープ、酒、大根、蓮根を入れて中火にかけ、沸いたら蓋をして弱火で10分煮る。
3.塩で調味し、火を止めて器に盛り、生姜をのせてごま油をかける。

今井 亮

今井 亮 さん (いまい・りょう)

料理家

料理雑誌、書籍、テレビ、料理教室などで幅広く活躍中。近著に『"炒めない"炒めもの』(主婦と生活社)などが。

『クロワッサン』1105号より

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