置きっぱなしが多い玄関収納・靴箱上、プロは捨てずにこう片づける。
夫婦と小学生の子ども2人の4人家族の読者Sさん宅の実例をご紹介。
撮影・黒川ひろみ 文・板倉みきこ
置きっ放し、しまいっ放しの 玄関収納・靴箱上 。
洗車グッズ、遊具、傘、園芸グッズなどを収納した玄関脇の棚。
「“とりあえず”ものを置いた結果、使いにくいスペースに。比較的空間に余裕があったことが裏目に出ましたね。特に、棚板は入居当初のまま使っている人も多く、デッドスペースを生み出す原因に。暮らしと使い勝手に合わせて、棚板を移動させるだけで、使いやすくなりますよ」
そして靴箱の上は、片づけが苦手な人に最初におすすめしたい場所だ。
「ものを全部出す労力も最小限で、整えるのはそこにあるものだけ。収納グッズの使い方や整え方の基本が身につきます」
(A)収納用にバッグをぶら下げたことで、奥のものが取り出しにくく。
(B)折れたものを含め、傘12本、折り畳み傘が6本。分別の必要アリ。
(C)棚板の位置を変え、下に大きなスペースが出現。使いやすくなった。
(BEFORE)
要・不要をチェックすることもないまま、とりあえずものを収納。棚の空間と収納品のサイズが合っておらず、空間を無駄遣い。
(AFTER)
傘は家族の必要数に厳選。収納ケースをものの種類に合わせて用意し、スペースを有効活用。子どもの遊具は目線に合わせた位置に収納。
(BEFORE)
棚の一番上に、袋に入った花壇用の土。殺虫剤スプレーなども取りにくく使いづらい。
(BEFORE)
棚板の手前に置いた子どもの遊具が収納スペースからはみ出し、玄関のたたきを一部占拠。
(AFTER)
畳んで置いていた洗車用タオルをケースに入れコンパクトに。隣にスプレー類も収めた。
(AFTER)
棚板を外し、できたスペースに工具など重いものを収納。子どもの遊具も収まった。
(BEFORE)
日焼け止めやマスクなどの実用アイテムと飾り物が混在。数も多くなく必要なもののみにもかかわらず、どこか雑然としたイメージに。
(AFTER)
写真左側に玄関の扉がある。実用品はケースにまとめて、開けたときの死角に設置。中央にまとめた飾り物だけが目に入る空間に。
靴箱上の見える面を増やすため、実用品はケースに入れて隅に。日焼け止めなどは立てておき、出し入れしやすく。
全部出し、が片づけ上手への近道。並べ替えるだけで劇的にすっきり。
整理収納アドバイザーの中山真由美さんは、ものを捨てられず片づけに挫折してきた人に、ものを減らさなくてもできる片づけ術を伝えてきた。
「家は『住む人』が主役で、目指すのは、住む人が心地よい部屋づくり。ものを減らすことが目的ではなく、快適に収まる方法を見つけることです」
中山さんが徹底するのは、ものの場所を“なんとなく”でなく、必要なものを集めて整え、スッキリ見せること。
「まず片づけたい場所にあるものを全部出す。全体を把握してからしまうのに最適な場所を決めていきます。片づけが苦手な人は、小さな場所から始めて達成感を味わうと、ほかも手がけやすくなるでしょう。今回訪れた、読者のお宅の例を参考にしてみてください」
『クロワッサン』1103号より
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