本書は、日常のなかで出合った心動いた言葉をストーリーとともに綴ったもの。
「負けを知っている人がいいわね」「傷つかなくちゃ、味わいなんて生まれないんじゃないかな?」など、悩みや失敗との向き合い方を教えてくれる言葉も多い。「コンプレックスはエネルギーの元なんだから」もそのひとつ。
「これは、スタイリストさんが発した言葉です。他者のコンプレックスに対して、“全然気にしなくていいよ、かわいいよ”というのが大人の視点だと思っていたのですが、いっぱい悩んだほうがいいと。向き合って苦しんで自分のものにしていく過程が、人として成熟する糧になるのだと教えられました」
受け入れることが、人としての奥行きやタフさにつながる。それはエイジングも同様。年齢による変化には悲観的になりがちだが、自分を育てる伸びしろにもなり得る。
「シワができることはショックですが、大人の肌だからこそ似合うものがあると知りました。髪もハリがなくなった分、切りっぱなしのボブができるように。トレンドを必死で追いかけ、浮かない人、沈まない人を演じていた以前と比べ、今のほうが自分らしくおしゃれを楽しんでいるように思います」