うまみが増して時短にも。ナンプラーで魚介類を下味保存&2つの展開レシピ。
撮影・津留崎徹花 スタイリング・佐々木カナコ 構成&文・新田草子
【下味=ナンプラー+はちみつ+レモン】えびと卵のエスニック炒め
ふんわり卵と香ばしいえびの組み合わせ。
ナンプラーは、酸味や甘みとともに下味に使うとよりエスニックな味わいに。「えびの身が締まって軽く焦げ目が付き、おいしさが増します。卵の色をきれいに保ちたいので、漬け汁は加えません」
【材料(2人分)】
えび 10尾(約200g)
卵 4個
A[ナンプラー 小さじ2 はちみつ 小さじ2 レモン汁 小さじ1]
塩 ひとつまみ
こしょう 少々
サラダ油 大さじ1と1/2
パクチー(1cm幅に刻む)適量
【作り方】
1.えびは殻をむいて背を浅く切り、背ワタを取り除いて洗い、水気を切る。
2.ポリ袋にAを入れて混ぜ、1のえびを加えて軽く揉んでなじませる。空気を抜いて口を縛って閉じ、冷蔵庫で半日ほど漬ける。調理する直前にざるに上げ、汁気を切る。
3.卵は溶きほぐし、塩こしょうを混ぜる。フライパンにサラダ油大さじ1を強めの中火で熱し、卵液を流し入れる。大きく混ぜ、半熟状になったら一度取り出す。
4.フライパンにサラダ油大さじ1/2を足して弱めの中火で熱し、汁気を切ったえびを加えて炒める。えびの色が変わったら卵を戻し入れ、さっと炒めて器に盛り付ける。パクチーをのせる。
【下味=ナンプラー+赤唐辛子】いかと小松菜のピリ辛ナンプラー炒め
漬け汁に砂糖を加えて、いかを柔らかく。
「魚介以外の具材が多い炒め物は、漬け汁も加えると味が決まります。ナンプラー漬けも、あさりなど塩気の多い貝類や、水気が抜けすぎるタコなどを除けば、いろいろな魚介類に応用できますよ」
【材料(2人分)】
するめいか1杯(約250g)
小松菜(小)1束(約150g)
紫玉ねぎ 1/2個(約100g)
A[ナンプラー 小さじ2 酒 大さじ1 砂糖 大さじ1 赤唐辛子(小口切り)1本]
サラダ油 大さじ1/2
【作り方】
1.いかはワタごと足を引き抜き、胴は輪切り、足は2本ずつに切り分ける。
2.ポリ袋にAを入れて混ぜ、1のいかを加えて軽く揉んでなじませる。空気を抜いて口を縛って閉じ、冷蔵庫で半日ほど漬ける。
3.小松菜は5cm幅に切る。紫玉ねぎは1cm幅のくし形切りにする。
4.フライパンにサラダ油を中火で熱し、2のいかを入れて炒める(漬け汁は取っておく)。色が変わったら紫玉ねぎを炒め、透き通ってきたら小松菜を加え、しんなりとするまで炒める。
5.取り置いた漬け汁を加え、さっと炒める。
今回、魚介類の下味保存術を教えてくれたのは、料理家の市瀬悦子さん。
「魚介類は調味料に漬けておくと保存性が高まるだけでなく、水分がほどよく抜けてうまみが濃くなり、もっちりとした食感に。臭みを抑えられるというメリットもあります。
漬ける時間は半日が目安ですが、2〜3日はこの状態でもつので、まとめ買いをした時にも役立ちますよ。数日で使い切らない場合は、冷凍保存がおすすめです。
切り身の魚は入れ替えられるものも多数。好みで試してみてください」
漬け方の基本
『クロワッサン』1081号より