伝記映画も話題、ホイットニー・ヒューストン『The Voice』の真髄。【高橋芳朗の暮らしのプレイリスト】
歌いたい曲を私らしく歌う 「The Voice」の神髄。
伝説のディーバ、ホイットニー・ヒューストンが他界してから今年でちょうど10年。それに合わせて彼女の48年の生涯を描いた伝記映画『ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY』が12月23日より公開中です。
ポップミュージックの歴史でも指折りの歌唱力を誇り、その名もずばり「The Voice」の異名をとったホイットニー。いま改めて彼女の歌に向き合うにあたっては、死後、2014年に発表された唯一の公式ライブアルバム『Live: Her Greatest Performances』を強くおすすめします。まだデビュー前の1983年から晩年の2009年まで、ホイットニーの軌跡を圧巻のライブパフォーマンスで追っていく内容は、彼女の神髄を伝える迫真のドキュメントといえるでしょう。
「史上最高の国歌斉唱」と評された1991年のNFLスーパーボウルにおける「星条旗よ永遠なれ」。南アフリカのアパルトヘイト撤廃を祝した1994年の記念コンサートでの絶唱「I Will Always Love You」。そして1994年のアメリカン・ミュージック・アワードで披露した10分に及ぶ壮絶な歌のドラマ「I Loves You, Porgy」〜「I Have Nothing」。
ホイットニーがデビュー当時から信条にしていたのは、「私が歌いたい曲を私らしく歌うこと」。ただひたすらに自分の歌が秘めた可能性に挑み続けた彼女の凄みを、このアルバムは正面から突きつけてきます。
『クロワッサン』1084号より
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