「 3カ月ごとの配置換えで、食器を循環させる」。すっきり暮らす伊藤まさこさんの基準。
撮影・黒川ひろみ 文・松本昇子
食器棚の器を手放し、今の食生活にフィットするものだけに。
コロナ禍で、自宅で過ごす時間が増えたという伊藤まさこさん。一年間かけて、リビングにある備え付けの棚6つのうち、丸々1つ分を手放した。
「来客が減ったことにより、おもてなし用の大皿などが不要に。使い勝手のいいサイズ感の器を選別しました。またブレンダーやクレープパンなど、あまり出番がない器具などは、知人に譲渡。以前はアンティークの花柄も多かったけれど、どんな料理にも合うプレーンな白皿をメインに。また家では和食を作ることが多いので、素材を引き立てる古い器や漆器などを残しました」
いつか使うかもと思いながら保管するより、今必要としているものだけを手もとに。
「必要のないものに振り回されたくない」という伊藤さんらしい選択の仕方だ。
食器を手放した棚にはパソコンなどの仕事道具を。ただ、書類もメールも案件が終われば処分。保有していた本も手放し、寝室に作り付けられていた本棚はウォークインクローゼットにリノベーションした。
「ぎゅうぎゅうに詰め込まず必要なものだけを残して、スペースを作る。そのほうが仕事もしやすいし、暮らしやすい。そんなふうにもっと生き方自体がシンプルでいいと思っているんです」
3カ月ごとの配置換えで、食器を循環させる。
食器棚の左側3つは和食器、右側2つは洋食器を収納。「棚の奥の器を前に出したりと、3カ月ごとに配置を換え、まんべんなく使うようにしています」。循環させることで、手放すものも見えてくる。
主張するものより、味わいのある器を厳選。
ひじきの煮物など、細々とした和食のおかずが多い伊藤家には、器自体の主張が強いものより、素材そのものを引き立ててくれる古物の器や漆器など素朴な器が似合う。プレーンな白皿との相性もいい。
柄のある器を減らし、プレーンな白い器をメインに。
個性的な花柄の器より、プレーンな白い器のほうがパスタや煮込みなどの料理自体が映える。「イタリアのリチャードジノリの業務用プレートは食洗機対応で、手入れのしやすさも選択の決め手です」
大きくて重たい器を手放し、使いやすいサイズのものだけ。
来客が減ったり、からだの負担を考えて、大皿や重たい器を減らし、使い勝手のいいサイズを残した。二人分の主菜を盛る皿(直径約23cm)、取り皿(4寸ほど)、小鉢(深さ約6cm)などが日々の食卓で活躍している。
『クロワッサン』1083号より
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