億劫だと感じがちな片づけや掃除を“気持ちいいもの”とプラスの捉え方をしている引田かおりさん。もやもやしたり、気持ちが沈んでいるときに“えいっ”と腰を上げ、ものを見直したり、掃除機をかけたりする。
「気分も、流れる空気も変わり、家族も“片づいているね”と気付いてくれたりする。いい循環が生まれるんです。生活するうちに自分で生み出した、問題解決の手っ取り早い手段です」
何かをスタートさせる前に、しなくてはならない作業があるとやる気が失せてしまうので、常にゼロベース。空間をすっきり整えておくことが、機動力に繫がる。そのために“こういうところにいたら自分は心地いいんだ”という感覚を記憶しておくことが大事。
「目の前が何もないフラットな状態であれば、家事でも仕事でも、すぐにやる気スイッチが入ります」
キッチンは、手入れが大変で場所をとっていた水切りカゴをなくし、ツールやスパイス類は繰り返し使用しているものだけに。煮物やスープを作るのに使っていた大きな鍋は手放し、今は片手鍋を愛用。器やカトラリー類も必要最小限に。結果、洗い物も減る。
「ものが込み入ってきたら、その都度見直し、空間に余白を作ります。そのために、自分の感覚や何が必要かというプライオリティを大切にしています」