くらし

ニットは薄手のみ、靴下は15足と決める…松尾たいこさんの服の管理、片付け術。

モノが好きな人がどのように食器やツール、服を循環させているのか、手放したもの、残したものとその基準をご紹介。
  • 撮影・黒川ひろみ 文・松本昇子

服の容量や着用回数を可視化することで、手放すものが見えてくる。

東京、軽井沢、福井の3拠点生活で、月に一度は京都へも茶道の稽古へ通う松尾たいこさん。ヨガを習い始めたり、犬の散歩に行ったりと、よりアクティブになった生活に伴い、着る服が変化。

「カラフルな服やエレガントな服、動きにくい服などを手放し、シンプルでデザイン性のあるもの、軽くてシワになりにくいもの、洗いやすいものを中心に選ぶように。自分が着ていて気分が上がる洋服も変わりました」

松尾たいこさん● アーティスト、イラストレーター

ブランドは〈コム・デ・ギャルソン〉や〈MM6〉など、シックで遊び心のある服が中心。ボトムスは絵を描くときも、散歩に行くときも、一日中快適に過ごせる〈アークテリクス〉のパンツで統一。手放すときのバロメーターになるよう、収める容量や定数を決め、服や靴の着用頻度を数値にし、すべてのものを可視化するのが松尾さん流。

「押し入れに仕舞い込んでしまうと、自分が何を持っているのか忘れてしまうので、パンツもTシャツもすべてハンガーに吊るして収納。ついつい同じ系統のアイテムを購入しがちなので、4年前から手持ちの服やコーディネートをすべてアプリで管理しています。高額な商品でも、着用頻度が高ければ、結果的にお得。逆に低ければ、手放す理由になります。わかりやすい仕組みや便利なデジタルツールを取り入れて、ミニマルな生活を心がけています」

ニット類は、着心地が悪くかさばるものは持たない。

東京の冬の気候はアウターで調整できるので、薄手のニットで充分。肌が弱いため、着心地のいい天然素材のものを選別。

棚には詰め込まず余白を作り、通気性をよくしながら、枚数を常に可視化。

ニットは使用頻度の低い厚手のものやチクチクするものを処分。

服はアプリで管理し、着用回数で手放すものを判断。

「Stylebook」というワードローブ管理アプリに服や靴を登録し、コーディネートを記録。着用回数や一回あたりの着用コストを割り出せるので、充分着てコストが下がったものや、使用頻度の低いものは、手放す動機に。

服を見える化し、 今の気分じゃないものは手放す。

クローゼットの服は吊るす収納に。「すべてが見渡せるので、今の気分じゃないものはその都度手放し、部屋着や2軍は持ちません」。カテゴリー別に着たものを左側にかけていくことで、右側にある着用回数の低い服を処分候補に。

鮮やかな服で気分を上げていた時期を経て、落ち着いた色が主流に。甘いデザインの服も年齢的に似合わないと感じ手放した。

靴下は15足と決め、傷んだものから捨てる。

生活スタイルに合わせて動きにくいものは穿かない。

自宅でヨガをしたり、犬の散歩に行くのが習慣のため、ボトムスは動きやすさ重視。

〈アークテリクス〉のパンツは機能的でシワにならず、スタイリッシュなので4本揃えている。

生地が硬くて動きにくいデニムやチノパンを処分。ハイヒールの靴は、移動や散歩の多い生活にそぐわないため手放した。
松尾たいこ

松尾たいこ さん (まつお・たいこ)

アーティスト、イラストレーター

11年間勤めた自動車会社を辞め、32歳でイラストレーターに転身。手がけた本の表紙イラストは300冊を超える。著書に『暮らしの「もやもや」整理術』(扶桑社)など。

『クロワッサン』1083号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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