メニューをルーティン化すれば迷わない、料理家の飛田和緒さんの定番朝ごはん。
忙しい中で用意する朝ごはんは、メニューや食べ方をルーティン化して迷わない。定番が決まっている飛田和緒さんに朝ごはん事情を聞きました。
文・長谷川未緒 写真はすべて本人提供
娘の車中飯でストレス 大幅減。会話が増えるいい時間にも。
「娘が小学校に入学したときから、車で駅まで送り迎えをしているのですが、ある日寝坊してしまって。パンとジャムをつかみ、車中で朝食を食べさせたところ、娘が『朝ごはんは車で食べたい』と言い出したんです。以来、10年ほど車中飯が続いています」
そう語るのは、料理家の飛田和緒さんだ。娘からすると、朝ごはんを家で食べるために早起きするより、車の中で食べて、その分寝ていたい。飛田さんにとっても、やっと起きてきた娘に「早く朝ごはんを食べなさい」と毎朝うるさく言わなくて済み、お互いのストレスが減った。
「娘は昼食用にお弁当も持って行くので、お弁当のおかずは前の晩に決めておき、朝ごはんは冷蔵庫にあるもので。醤油や塩の代わりに魚醤を使ったりして、目先を変えています」
お弁当は弁当箱に、車中飯はバットのような器やカゴに入れ、娘は助手席でそれを膝に乗せて食べているそう。自身は、味見や残り物で済ませるのが、いつもの朝だ。
「以前は車の中で寝ているだけだったけれど、車中飯になってからは、駅まで送る20分間がコミュニケーションの時間になっています。前日に話せなかったことや、おいしいとか食べにくいとか。それが車中飯の一番いいところですね。高校3年生なので今年でひと区切りだと思っていますが、終わったら寂しくなるかもしれません」
『クロワッサン』1078号より