くらし

気兼ねせずに店歩きできる西荻窪を、作家の角田光代さんがご案内。

人気のエリアに在住の角田光代さんに、とっておきのお散歩コースを教えてもらいました。
美味しくて楽しい街歩き、ぜひ出かけてみてください。
  • 撮影・黒川ひろみ 文・一澤ひらり 地図製作・竹中聡司

昼間からぶら~り、気兼ねせずに店歩きできる街なんです。

角田光代さんが西荻窪という“ゆるやかな街”に出合ったのは26歳のとき。根を下ろしてもうかれこれ30年近く。

「この街が大好きで、ずっと暮らしたい。骨を埋めるつもりでいます(笑)。私のような定時で働いていない人間が昼間ふらふらしていても、気楽に歩ける街なんです。キャラクターが際立つ個人経営のお店があちこちにあるのも楽しいんですよね」

気配りを大事にする角田さんにとって、お礼状などに用いるカード類が豊富に揃う雑貨店が多いのも大きな魅力。

「古本屋さんもけっこうあって、それぞれに特徴があります。コーヒーやお酒を飲みながら本を読めるブックカフェもあるから、ゆったりと過ごせますね」

散策に出かけて立ち寄るイタリアンも絶品で、軽く一杯飲んで帰ろうかというときには、昭和の面影を残す飲み屋横丁が駅南口を出てすぐ右側に。

「昼日中からのんびり飲んでいる人もいるし、私が愛するレモンサワーの専門店なんかもあって憩いの場所です」

とはいえ、そんな横丁や飲食店が休業せざるを得ない期間も長かった。

「この街には不要不急のお店が多いって気がつきました。でもだからこそ、この日常がとても贅沢なことなんだと教えてもらったように思います」

古本バル 月よみ堂

●コーヒーやお酒を飲みながら読書を。

「ひとり、静かに本を読まれる方が多いですね」と店主の首藤七緒さん(上左)。珈琲500円(上右)。角田さんにとって、古本屋は本の声が聞こえてくる場所だという(下)。

入り口付近に古本が並び、奥のカウンターはゆったりしたカフェ&酒場となっていて、ちょっとしたおつまみも豊富。

●東京都杉並区西荻南2・6・4・103 
TEL.03・6454・2037
営業時間:14時~24時 月曜休

ぺぱむら

●紙のおもしろさを再発見!ユニークな紙モノ雑貨店。

季節感のあるカードやレターセット、ペーパークラフトなどが所狭しと並ぶ。角田さんが大好きなネコ柄のカードや便箋も。「かわいい柄がたくさんあって迷ってしまいます」

ポストカードや便箋、ポチ袋、モビール、様々な楽しい紙のアイテムがいっぱい。

●東京都杉並区松庵3・39・11・1F 
TEL.03・5941・8346 
営業時間:11時~19時 月・木曜休

CICLO(チクロ)

●シンプルで、素材が引き立つイタリアン。

右上・黒牛イチボのフライパン焼4,200円。左上・ヘベスのペペロンチーノ カラスミがけ1,700円。左下・10時~16時まではカフェタイムで、ランチはないがドルチェが豊富。

10時~16時まではコーヒーやドルチェを。17時からは旬の素材を生かした料理に舌鼓。

●東京都杉並区西荻窪 2-22-6
TEL 03・6755・9713 営業時間:10時〜16時(カフェタイム)、17時〜23時(食事22時LO、ドリンク22時30分LO) 水曜・第2火曜休

スタンドキッチン ルポン

●自家製レモン焼酎で作る立ち飲みレモンサワー専門店。

ジャックサワー480円(左)は自家製8気圧の超強炭酸。クイーン530円(右)は黒糖と三温糖、レモン果汁で作るシロップ入り。

レモン焼酎だけでなく、炭酸は自家製の超強炭酸、氷もかち割りとこだわり最強。

●東京都杉並区西荻南3・11・5 
TEL.なし 
営業時間:18時~翌2時(日曜~24時) 無休

角田光代

角田光代 さん (かくた・みつよ)

作家

2005年『対岸の彼女』で直木賞、’07年『八日目の蟬』で中央公論文芸賞、’21年『源氏物語』の現代語訳で読売文学賞(研究・翻訳賞)など、受賞作や著書多数。

『クロワッサン』1079号より

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