東京は雑多な中で、必ずおもしろく暮らしている人がいて、常に新しいことに出合える街。自分の見たいもの、好きな人が、美しく点在しています。
ゴミも多いけれど、尊いものが見えやすい場所。私の人生のテーマでもある「ファンタジーリアル」(寓話的現実)の最たる形が東京のように思います。
雑多であることが東京の魅力だと思うので、これからも新陳代謝が起こり続ける街であってほしい。
ただ、建築や態度の側面でいうと、都市として美しくありたいという意識がもっと高まるといいなあ。闇雲に何もかも残せとはいわないけれど、新しい建築物を造るときには、都市としてのランドスケープへの意思や、そこに集う人々の精神性への導きがあったら、と。
理想をいえば、無責任な大人や無知な若者の爆発の場という側面よりも、配慮や敬意といった大人の感覚のほうが表側に立つ都市であれたらと願います。