イタリアのパンの和え物、パンツァネッラ【重信初江さんの世界の和え物レシピ】
撮影・土居麻紀子 文・森本亮子 構成・中岡愛子
パンに酸味と旨味が凝縮。トスカーナのマンマの味。
イタリアカラーが楽しいパンの和え物は、「ドレッシング的役割の白ワインビネガーでハード系のパンを戻し、水気を絞ることで、野菜の旨味を吸ってよりおいしく成長します」。酢の整腸作用も期待できそう。
【材料(2〜3人分)】
フランスパン(バゲット)1/3本(20cm分)
A[水 2カップ 白ワインビネガー(または酢)大さじ1]
トマト 大1個(200g)
きゅうり 1本
バジルの葉 10枚
オリーブ(緑・種つき)8〜10個
B[オリーブオイル・白ワインビネガー 各大さじ1 おろしにんにく・塩 各小さじ1/4 胡椒少々]
【作り方】
1.ボウルにAを入れ、大きめの一口大にちぎったフランスパンを加えて15分ほどふやかし、水気を絞る。
2.トマトは大きめの乱切りにする。きゅうりは皮をピーラーで縦方向に剥いて、1cm幅に切る。バジルの葉はそれぞれを2〜3等分にちぎる。
3.ボウルに1と2を入れ、Bを加えて和える。器に盛り、オリーブをのせる。
「和え物は生でよし茹でてよし、おかずにもメイン料理の付け合わせにもつまみにもなり、野菜を大量に摂れて体が整います。夏野菜が旬を迎え、食欲が落ちやすいこの時季にぴったりです」と重信初江さん。
“和える”利点は調味料がなじんで味がよくなることだが、塩茹で・塩揉みしたものは食材から水気が出て味がボヤけやすいため、味付け前に水気をしっかり取るのが仕上げのコツだ。
「白和え、ごま和え、酢の物など、日本の和え物は調理法も食材もバリエーション豊かで、作り方も簡単。他国で感動した和え物には玉ねぎ、トマト、きゅうり、レモン汁がよく入っていましたが、スパイス使いに食文化が顕著に表れて面白い。意外と身近な食材と調味料でできますよ」。旅気分で野菜の和え物の奥深い魅力を楽しみたい。
『クロワッサン』1071号より
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