くらし

名店のコツでもっとおいしく、穴子と舞茸のフリット。

お店で食べる揚げ物はなぜあんなにもおいしいのか。下ごしらえ、衣のつけ方、火入れの加減など、小田原の名店イルマーレのコツをお伝えします。
  • 撮影・三東サイ 文・田村幸子

穴子と舞茸のフリット

粉を使い分けて、カラッと軽いイタリアンの揚げ物。

穴子は小さく切ってオリーブオイルでまとめると、絶妙の火入れのかき揚げに。ナイフを入れるとふわっと香りが立ち上る。

【材料(3個分)】
生穴子90g(約1尾分)
舞茸 20g
小麦粉 大さじ1(下粉用)
小麦粉 80g
溶き卵 1/2個分
水 100ml
オリーブオイル 小さじ2
揚げ油 適量
塩ひとつまみ
ペコリーノチーズ・イタリアンパセリ(みじん切り)各小さじ1

【作り方】
1.穴子は細かく切って塩をかける。舞茸は細かく手でちぎる。
2.1をボウルで合わせ、オリーブオイルをひと回しかけて具をまとめる。
3.2を3つに分け、手のひらで軽く丸める。
4.下粉用の小麦粉を茶漉しで3にふるいかける。
5.分量の小麦粉と卵と水を合わせて衣を作り、4の上からコーティングするようにかける。
6.揚げ油を熱し、160度になったら5を浮かべる。菜箸を入れたとき、細かな気泡が立ちジジジッと静かな音がすると160度ぐらい。
7.油面に浮いてきたら、油を切って引き上げる。
8.揚げたての7を皿に盛りつけ、ペコリーノチーズを削りかけ、イタリアンパセリを振る。

※舞茸の代わりに椎茸、しめじなど、きのこならなんでも合う。ズッキーニをすりおろして混ぜてもおいしい。穴子の代わりにハモや桜海老でも。

名店の技

穴子と舞茸をボウルで合わせ、オリーブオイルを回しかける。
1個分は手で軽くひと握りほど。 俵形に丸めて整える。
衣がだまにならず均一になるように茶漉しで小麦粉をふるいかけて。
衣をスプーンですくって具の上からかけ、そっと油に入れる。

店の目の前が漁港で、魚市場も徒歩数分という絶好のロケーション。

「アミューズの最初のひと皿は、揚げ物と決めています。冷たい料理より、熱々のものを出したい。サクサクした食感は食欲を刺激し、次の料理はなんだろう、という期待が高まります」

と、依田隆さんは顔をほころばせる。

夜明け前の4時半、魚市場に出かけて仕入れる旬の地魚は、多種多様だ。

「とにかく大事なのは鮮度。鮮度に難があるときは、醤油でさっと洗うといいですね。漬け込むと身が硬くなるので、くぐらせるぐらいにして。魚は丸ごとよりも、小さく切ってまとめたほうが芯まで火が入りやすい。衣は薄くつけることが大事。カラッと揚がって胃もたれしません」

イルマーレ
神奈川県小田原市早川1・11・6 
TEL.0465・24・1510
営業時間:12時~14時(入店)、18時~20時30分(日曜は19時入店まで)
月曜休(祝日は営業、翌日休業)
営業時間は要確認。

依田 隆

依田 隆 さん (よだ・たかし)

イルマーレ総料理長

26歳で会社員から転身。都内リストランテで修業後、イタリアを巡る。『ヒロマーレ』を経て2006年、小田原漁港を望む店のオーナーシェフに。

『クロワッサン』1057号より

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※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

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