【煮魚編】本田明子さんにトリンドル玲奈さんが習う、魚のおかずの作り方。
定番の作り方を、魚好きのトリンドル玲奈さんが習います。
撮影・青木和義 スタイリング・矢口紀子
煮魚は、魚の種類に合わせて、味付けを変えます。
さばの味噌煮
「たっぷりの酒とみりんで下煮をしていきます」(本田さん)
「思い切って、強めの火で煮ていいんですね」(トリンドルさん)
「さばは切り身で売っていることが多いので、扱いやすいですね。味噌煮は誰もが好きな料理。下煮は味噌を入れずに煮ることでふっくら仕上がります。味噌は好みのもので」(本田さん)
【材料(2人分)】
さば2切れ
煮汁[水 1/2カップ、日本酒 1/2カップ、みりん 大さじ1、醤油 大さじ1/2]
味噌だれ[砂糖 小さじ1~2、味噌 大さじ1強、みりん 大さじ1、水 1/4カップ]
芥子 少々
つけあわせ[ごぼう・ねぎ 各適量]
【作り方】
1.さばは味がよくしみるよう、皮に切り目を入れ、水けを拭く。
2.鍋に煮汁の材料を煮立て、さばの皮目を上にして入れる。ふたを少しずらしてのせ、強めの中火で時々煮汁を回しかけながら、7~8分下煮する。
3.煮汁に合わせた味噌だれを加えて中火にし、フツフツしてきたら、時々煮汁をさばにかけながら、2〜3分煮る。さばを器に盛る。
4.残った煮汁を火にかけ、少しとろりとしたら火を止め、熱々を魚にかける。芥子とつけあわせを添える。
【つけあわせ】
5cm長さ、4つ割りにしたごぼうをたっぷりの湯で茹でる。好みのやわらかさになったら、ぶつ切りのねぎも加え、一緒にさっと茹でて引き上げる。
※この茹で汁は、豚肉薄切り、豆腐、白菜などを加えて豚汁にするとおいしい。細ねぎをたっぷりのせて。
いわしの梅煮
「最初は強火で、沸いてきたら落とし蓋をして煮ます」(本田さん)
「ひっくり返さなくていいとは知りませんでした」(トリンドルさん)
「いわしも、頭とはらわたを取った状態で売っているものを使えば簡単。煮汁が多すぎるとうまくいきません。落としぶたをすれば少ない煮汁でも充分味が回ります」(本田さん)
【材料(2人分)】
いわし(小さめ)4尾
梅干し(大)1個
赤唐辛子 1本
煮汁[日本酒 1/4カップ、水 1/4カップ、醤油 大さじ1、みりん 大さじ1(好みでさらに砂糖 小さじ1~3)]
つけあわせ[細ねぎ 適量]
【作り方】
1.梅干しと赤唐辛子は種を除く。いわしは頭を切り落としてはらわたを出し、洗って3~4cm長さに切って水けを拭く。
2.鍋に梅干し、赤唐辛子、煮汁の材料をすべて入れ、火にかける。フツフツしてきたら、いわしを並べ入れ、落としぶたをして強めの中火にして煮る。
3.3分ほど煮たら全体に煮汁をかけながら魚に火を通す。煮汁に少し濃度がついてきたら出来上がり。いわしの鍋底側の面を上にして煮汁ごと器に盛り、つけあわせを添える。
【つけあわせ】
細ねぎを長さ4cmほどに切って。白髪ねぎなど辛みのあるものや水菜など生のものを添える。
かれいの煮付け
「重ならないように、大きめの鍋かフライパンで」(本田さん)
「煮汁を上からかけるのがポイントですね」(トリンドルさん)
「かれいは案外泥臭いので、みりんを多めにして煮ます。好みで砂糖を足しても。煮魚はどれも裏返さないこと。上から煮汁をかけ、落としぶたをして煮上げます」(本田さん)
【材料(2人分)】
かれい 2切れ
生姜(薄切り)4枚
煮汁[水 1/2カップ、日本酒 1/2カップ、みりん 大さじ4、醤油 大さじ2(好みでさらに砂糖 小さじ1~3)]
つけあわせ[生椎茸・ししとう 各適量]
【作り方】
1.かれいは水けを拭く。皮がはじけるのが気になる人は皮に切り目を入れる。
2.2切れの切り身が入るくらいの鍋を用意。煮汁の材料と生姜を入れて強めの中火にかける。
3.フツフツ煮立ってきたらかれいを1切れずつ並べ入れ、時々煮汁をかける。
4.裏を水でさっとぬらした落としぶたをして、強めの火で10分ほど煮る。ふたを取り、煮汁をかけて仕上げる。器に盛り、つけあわせを添える。
※魚卵がたっぷり入っているときは12分煮る。
※途中で焦げ付きそうになったり、煮汁がなくなってきたら、湯か日本酒を足す。
【つけあわせ】
オーブントースターの天板に生椎茸、ししとうを並べ、水大さじ1〜2を振って蒸し焼きに。ごぼう、チンゲン菜、小松菜などを茹でても。
料理好き、魚好きのトリンドル玲奈さん。2年前の本誌魚特集、「決定版 魚のおいしい食べ方。」(1009号)は、書店で見つけてすぐに買ったそう。
「ひとり暮らしになってから、料理をする機会が増えたので、魚料理も試してみたかったんです。ネットで作り方を見ても、いまひとつ決め手に欠ける感じだったので、これはよさそうと」
母方の祖母が福岡に住んでいて、子どものころは毎夏、長く滞在した。
「祖母は料理上手で、魚も新鮮なので、どんな食べ方でもおいしいんですが、なんといっても煮魚が好きでした。福岡は甘めの味付けなんです」
クロワッサンを見て、さっそく金目鯛の煮付けを作ってみたところ、
「簡単なのに上手にできて、感激しました。インスタにもときどきアップしています。まだ自己流でやっている部分も多いので、きちんとコツを身に付けたいですね」
本田さん愛用のターナー
「私の師匠の小林カツ代が、大昔にドイツで買ってきてくれたもの。魚の料理には必ず使っています。身を崩さずに移すのには、箸だと難しいですね。これは、先が細くなっているところと反り具合が絶妙。柄が短いのも扱いやすい」(本田さん)。似たものをぜひ探してみて。
『クロワッサン』1057号より